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2025/07/11

インフラエンジニアのホントのところ #9|インフラエンジニアのキャリアパスを考えよう【職種編】

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ITインフラって、「なんだか難しそう」「地味で大変そう」と思われがち。
でも実は、社会を支える根幹にある、とてもやりがいのある仕事なんです。

そんなリアルをお届けするPodcast 「インフラエンジニアのホントのところ」。
MCにはベンチャー女優の寺田有希さんを迎え、当社の副社長 永江耕治と採用責任者 小山清和が、現場・経営・採用の視点から語ります。

今回のテーマは「インフラエンジニアのキャリアパスを考えよう【職種編】」。
業務内容も多岐に渡るインフラエンジニア。どんな職種、キャリアをめざしていけるのか。はたまた、目指していくべきなのでしょうか。
【職種編】と題し、インフラエンジニアの目指すべき職種について考えていきます。。

<目次>
1.オープニング
2.3回にわたるインフラエンジニアのキャリアパス特集
3.インフラエンジニアのキャリアパスの現状
4.市場の変化と、今後エンジニアに求められる役割
5.今後、市場が高まるキャリアパスとは?
6.クロージング

1.オープニング

寺田:言葉は有名でも、何かと知らないことが多いインフラエンジニアの世界。キャリアや将来性、魅力など、ついつい隠れがちな「本当のところ」を、業界のプロであるエーピーコミュニケーションズの永江さん、小山さんと共にインフラエンジニアのキャリアを徹底解剖していきます。

永江: エーピーコミュニケーションズの永江です。私は2002年にITインフラ業界に入りましたので、もうキャリアは23年以上になります。エンジニアとしてスタートし、現在は経営者として携わっております。どうぞよろしくお願いいたします。

小山: エーピーコミュニケーションズの小山です。現在は採用責任者を務めております。10年以上にわたるIT業界での採用経験と、7回の転職を通してキャリアを形成してきた人事です。よろしくお願いします。

寺田: MCを務めます、ベンチャー女優の寺田有希です。早速ですが、実は番組宛にリクエストをいただきました!嬉しいですね。

永江: そうですね。『X』でコメントをくださる方もいらっしゃいましたが、やはり、こういった反応をいただけると励みになります。もっと反応が増えていくと嬉しいなと思っています。

寺田:聴いてくださっている皆さん、ぜひ反応をいただいたり、「これってどうなの?」と思ったことは素直に質問していただければ私たちも答えていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。小山さんはいかがですか?

小山: やはり嬉しいですね。反応がないと、「ちゃんとリスナーに響いているのかな?」と思ってしまうのですが、数は多くなくてもリクエストをいただけることが、何よりも番組を続けていく上での活力になります。もっともっと増えてくると嬉しいです。

2. 3回にわたるインフラエンジニアのキャリアパス特集

寺田: 早速、今回いただいたリクエストのコメントをご紹介したいと思います。
「インフラエンジニアのキャリアパスについて話してほしいです。インフラのエキスパートになるのか、PM(プロジェクトマネージャー)やEM(エンジニアリングマネージャー)などに転身することもできるのか、どんなキャリアがありますか?」という内容です。
まずは、コメントをいただきありがとうございます。さて、やはりキャリアに対する悩みは多いのでしょうか?

永江: ええ、非常に多いですね。当社のエンジニアも、年齢を問わず常に悩み続けるテーマだと思います。20代で「こうかな」と思った道がずっと続くわけではなく、社会の変化と共に自分自身も変化させていかなければならないので、誰もがずっと抱えるテーマなのではないでしょうか。

寺田: 特にこの業界は、変化のスピードが速いと何度も話題に上がっていますもんね。

永江: だからこそ、特に悩むのでしょうね。IT業界はすべてそうだと思います。

寺田: 小山さんはいかがですか?採用の観点からも、キャリアの悩みは多いと感じますか?

小山: そうですね。私はIT業界だけでなく、様々な職種の方と関わってきた経験から言いますと、少なくともトップ3には入る悩みではないかと思います。
個人的に相談されることもありますし、選考の過程で相談されることもあります。日々悩んでいる方は本当にたくさんいらっしゃると思いますし、今これを聴いている方も、悩んでいるからこそ聴いてくださっているのかもしれませんね。

寺田: そうですね。さて、本日のテーマはこちらです。「インフラエンジニアのキャリアパスを考えよう【職種編】」。一言でキャリアパスと言っても様々な切り口で考えられますので、いただいたリクエストにお応えして、「職種編」「給与・待遇編」「働き方編」と、本日から3回にわたってインフラエンジニアのキャリアパスについて徹底的に考えていきたいと思います。

3. インフラエンジニアのキャリアパスの現状

寺田:業務内容も多岐にわたるインフラエンジニア。どんな職種のキャリアを目指していけるのか、そして目指していくべきなのか。お二人と共に考えていきます。
業界歴23年以上の永江さんと共に、現状を整理していきたいと思います。まず目指せるキャリアパスとして、具体的にどんなものがありますか?

永江: インフラエンジニアの中でも、職種は非常に多岐にわたります。昔に比べて、その領域はどんどん増えてきていますね。
20数年前ですと、「サーバーエンジニア」か「ネットワークエンジニア」という分け方が主流でした。大きく分けるとそれぐらいだったのですが、そこから細分化されてきました。
ある領域に特化したエンジニアや、技術が進化してきた「クラウドインフラエンジニア」、昔からある「運用監視エンジニア」、そしてインフラ全体の構成設計や技術選定を行う「インフラアーキテクト」といった役割も生まれています。

寺田: かつては2つだった職種が、ざっと分けただけでも6、7個はありますね。

永江: これは正確な分け方があるわけではないので、実際はもっとたくさんあると思います。

寺田: ということは、選べるキャリアパスの幅も広がっているということでしょうか?

永江: そうとも言えますね。
また、一つのエンジニア職に限定して長く続けるというケースは、むしろ少ないのではないでしょうか。得意な技術領域を広げていく方もいますし、技術的な領域の違いだけでなく「PM(プロジェクトマネージャー)」への転身もキャリアパスの一つです。「EM(エンジニアリングマネージャー)」や「PM」といった役割はマネジメントの要素が強くなりますね。

寺田: PMとEMは、全くの別物なのですか?

永江: はい、役割はかなり違うものと捉えていただくのが良いと思います。
EMは、技術的な管理職としてチームをまとめる役割です。エンジニアをまとめていくマネージャーですね。それに対してPMは、プロジェクトの進捗管理が主な役割になります。エンジニアを中心としたチームマネジメントがEM、プロジェクト全体の管理がPM、というのが大きな違いです。

寺田: 以前、素質についてお話しした際に、意外とコミュニケーション能力が大事という話がありましたが、それと通じますね。
技術を突き詰めてキャリアアップする方と、コミュニケーション能力などを活かして総合的なスキルを伸ばしていく方、大きく二つに分かれるというイメージでしょうか。

永江: そうですね。一つは、エンジニアとして技術をどんどん深掘りしていくパターンです。もう一つは、技術的な背景や管理スキルを持っているということで、EM・PMを選んでいくパターンがあると思います。

寺田: やはり、キャリアの幅が広がることと直結しているのでしょうか。

永江:人にはそれぞれ強みや志向性、向き不向きがあります。技術をとことん掘り下げることが向いている方もいれば、技術的な素養を持ちつつ、コミュニケーションスキルなどを活かしてマネジメントで活躍するのが得意な方もいます。
例えば、進捗管理が非常に得意な方はプロジェクトマネージャーに向いているでしょうし、何が得意かによって適性は分かれてくるかと思います。

寺田: ありがとうございます。

4. 市場の変化と、今後エンジニアに求められる役割

寺田: 現状を理解できたところで、小山さんと一緒に市場の動向を見ていきたいと思います。インフラエンジニアのキャリアパスとして、現在どのようなキャリアを歩む人が増えているかなど、変化はありますか?

小山: 選択肢は、以前より明らかに増えたと感じています。
特にエンジニアというカテゴリーの中での話ですが、昔はキャリアアップして待遇を上げるためには、手を動かすことから離れて、いわゆる「ピープルマネジメント」の役割を求められることが多かったんです。
これはいわゆる「エンジニア35歳定年説」につながる話で、手を動かすのは35歳まで、それ以降は管理職へ、という意味合いでした。
もちろん今はそんなことはなく、人の管理をしなければ待遇が上がらない、キャリアが広がらないということは基本的にありません。会社によってはまだそういった考えが残っているかもしれませんが、全体としてはキャリアの幅は広がってきていると思います。
例えば当社のように、スキルを磨いてスペシャリストとしてキャリアを築いていく方向性もあります。人の管理、つまりマネジメントのキャリアももちろんあります。さらに、プロジェクトマネージャーのように、技術的な知見を活かしてプロジェクトを円滑に進める役割や、最近ではSRE(Site Reliability Engineering)エンジニアのように、サイトの信頼性を最大化する役割も増えており、開発エンジニアからキャリアチェンジする人もいます。
DXやAIの進展に伴い、ITインフラ分野のサービスが拡大しており、キャリアの幅は年々大きく広がっています。市場が伸びているので、待遇面も含めて、今は非常に良い状態ではないでしょうか。

寺田: 人をマネジメントする道と、技術を伸ばしていく道、どこかで大きな分岐点が来るのでしょうか?

小山: どちらが良い悪いという話ではないと思います。キャリアは事業への貢献とセットなので、自分の強みや得意なことを伸ばす方が、結果的に良いキャリアにつながります。
それを踏まえたときに、どこに自分を合わせると一番キャリアが伸び、可能性が広がるのかを、以前より柔軟に考えられるようになった、ということでしょうね。
昔はほぼ一択、これしかない、という状況から、いくつかの選択肢の中から自分の適性に応じてキャリアに投資できる時代になりました。もちろん、うまくいくかどうかは本人次第ですが。

寺田: 自分の強みと職種を掛け合わせやすくなったということですね。

小山: そうです。キャリアに対する考え方自体が変わってきた面もありますね。
以前の回でも触れましたが、「人的資本経営」の考え方が広まる中で、企業も社員に長く働いてもらうために、キャリアの提供が重要だと認識するようになりました。昔のような画一的なキャリアしか提示できなければ、今の時代の人は、より良いキャリアが築ける場所を求めて転職してしまいますから。
昔は終身雇用が前提で、人が流動的でなかったため、キャリアの幅が狭くても「仕方ないか」という風潮がありましたが、今は一つの会社に長くいることが必ずしも正解ではなくなりました。だからこそ、企業側もしっかりと社員のキャリアに投資するようになり、その結果として選択肢が広がったのだと思います。

寺田: 今後、どのようなキャリアを歩む人が増えそうでしょうか?

小山: 市場からエンジニアに求められる視点は、間違いなく変わってきていると感じます。
「技術だけ知っています」という人材へのニーズは、正直に言うと若干下がってきているように思います。これは開発分野全般で言われることですが、実際にエンジニアや経営者の方々からもそうした話を聞きます。
企業が高い待遇を用意するのは、それだけ事業成長に必要だからです。そういう意味では、技術だけでなく市場や事業を理解した上で、「このインフラ技術をどう活用していくか」を提案できるような人材が求められてきます。
今後はそうした視点を持たなければ、どこかでキャリアが頭打ちになるタイミングが来るのではないでしょうか。

寺田: ということは、キャリアを選んでいく上で、これからはそうしたビジネス視点を持つことが必要になってくるのですね。

小山: その通りです。技術はあくまで事業を成長させるための手段です。どんなに優れた技術でも、事業に合っていなければ理解されず、必要とされません。
技術をどう活用していくかという視点は、開発分野ではすでに当たり前になっていますが、インフラ分野にもその潮流が来ていると思います。私がこの業界に入ってまだ2年弱ですが、その短い期間でも流れの変化を強く感じますね。

寺田: たった2年で。それは早いですね。

5. 今後、市場が高まるキャリアパスとは?

寺田:最後に、価値が高まりそうなキャリアパスについて、お二人の目線から答えていただければと思います。

永江: 価値が高まるには、まず「需要があること」、そして「供給が少ないこと」という二つの要素が重要です。 需要がなければ、対価は支払われません。
例えば、ある技術領域で非常に高いスキルを持っていても、そこに需要がなければ、そのエンジニアの市場価値は高まりにくいのです。
もう一つの「供給」が少ない理由にも、いくつかのパターンがあります。一つは「難易度が高い」からです。参入障壁が高い、ということですね。先ほど話題に上がったEM(エンジニアリングマネージャー)やPM(プロジェクトマネージャー)は、求められるスキルレベルが高く、誰もが簡単になれるわけではありません。これが供給の少なさにつながります。他にも、PMは大規模なシステムのPM経験を積んでこそなれる職種ですが、非常に大きなプロジェクトに携わる機会というのはかなり限られるんですよね。

寺田: なるほど。

永江: 所属する会社によって、その経験を積めるかどうかが大きく左右されます。会社によって全然たどり着けないということもあります。

寺田: どんな会社を選ぶかで、すでに道が決まり始めているのですね。

永江: また、若い人や経験がそこまでない方にも比較的チャンスがあるという話で言うと、新しい技術分野です。まだ経験者が少ないからです。
データ基盤やAIといった領域は、まさに今、市場が急速に伸びていますが、昔から専門のエンジニアがたくさんいたわけではありません。今はまさに旬の分野です。数年後には状況が変わるかもしれませんが、今はまだ「知っている人が少ない」ために供給が追いついていない状態です。
こうした市場のパターンとご自身の環境や適性を照らし合わせ、戦略的にキャリアを考えることが、価値を高める上で有効なアプローチだと思います。

寺田: 時代の先を読む、ということですね。

永江: 時代の流れはキャリアにものすごく影響します。

寺田:でも難しいですね。さっきもたった2年でこれだけの変化があって…とおっしゃっていました。

永江:そうですね、未来を正確に予測できる人はいないので、ある意味で「運」の要素もあるかもしれません。

寺田: 今、ズバリ言うと、やはりAI関連のキャリアが注目でしょうか?

永江: AI関連は間違いなく成長市場ですので、今は旬だと言えますね。ただ、この先どれくらいの期間続くかは、私にも分かりません。

寺田: その先を見据える目も必要になってくるのですね。

永江: そうですね。

寺田: では小山さん、採用の目線から見て、価値が高まりそうなキャリアパスはいかがでしょうか?

小山: 私はこれまで開発エンジニアやUI/UXデザイナーなど、様々な職種の採用に関わってきましたが、どの分野でも「技術だけでは乗り越えられない壁」が必ず来ます。
アウトプットさえできれば評価された時代から、それをどうビジネス価値につなげ、スケールさせていくかが問われる時代に変わってきています。今後、市場価値を上げていくためには、経営や事業の上層部と関わる機会を増やし、ビジネスを理解することが非常に重要になります。
月並みですが、論理的思考力や、業界・市場、ビジネスモデルを理解する力、そしてもちろん技術をキャッチアップし続ける能力。これらを兼ね備えたエンジニアは、今後価値が高まると思います。
おそらく、インフラエンジニアの分野は、今まさにその変革期に来ていると個人的には強く感じます。事業部から聞く案件のニーズや、他社が求める求人の傾向からも、その兆候が見られます。
ビジネスを理解し、経営層とも対話できるスキルを持つこと。まだできる人は少ないからこそ、そこに高い価値が生まれます。キャリアはスキルの掛け算だと思いますので、技術にそうしたビジネスの視点が加わることで、価値は何倍にもなるのではないでしょうか。

寺田: お話を聞いていると、どの職種を目指すかというより、まず「どうすれば自分の価値を高められるか」を考えることが、良いキャリアを築く上で大切だということですね。

小山: はい。選択肢を広げるためには、自分ができること、つまり武器を増やさなければ、やりたいこともできません。求められる前にしっかりと準備をしておき、いざという時に「私にはできます、価値があります」と示せるようになれば、道は拓けるはずです。
キャリアには偶然の要素もありますが、その運を引き寄せるのは、そこまでの地道な努力だと思います。自己研鑽を続け、いろいろなことに興味を持つことが大切ですね。

寺田: 大事なのは、自分の価値の高め方ですね。ありがとうございました。

6.クロージング

寺田:改めて、本日はリクエストをいただいて嬉しかったですね。

永江: 本当にそうですね。これからも、ぜひ色々なご質問やご意見をいただけると嬉しいです。

寺田: はい、皆さん、どしどしお寄せください。小山さん、本日はキャリアパスについてお答えしてみて、いかがでしたか?

小山: そうですね、ようやく私の本領が少し発揮できるパートに来たかな、と思います(笑)。こうしたリクエストが続けば、番組ももっと盛り上がっていくはずです。番組が長く続くためにも、皆さんからのリクエストが本当に大事ですので、お待ちしております。

寺田: 皆さん、ぜひお待ちしております!今回は、キャリアパスについて考える第1回目、職種編をお送りしました。次回以降、「給与・待遇編」「働き方編」も続きますので、どうぞお楽しみに。

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