2025/11/04
インフラエンジニアのホントのところ #25|フリーランスだけが正解じゃない!会社員エンジニアとして幸せに働くためにすべきこと
              ITインフラって、「なんだか難しそう」「地味で大変そう」と思われがち。
でも実は、社会を支える根幹にある、とてもやりがいのある仕事なんです。
そんなリアルをお届けするPodcast 「インフラエンジニアのホントのところ」。
MCにはベンチャー女優の寺田有希さんを迎え、当社の副社長 永江耕治と採用責任者 小山清和が、現場・経営・採用の視点から語ります。
今回のテーマは「フリーランスだけが正解じゃない!会社員エンジニアとして幸せに働くためにすべきこと」。
「今のままでいいのか」と感じる会社員エンジニアに向けて、幸せに働き続けるためのヒントを徹底討論!
会社員のメリット・デメリットを整理しながら、やりがいや価値の感じ方、評価への向き合い方など、フリーランスを目指すだけじゃない幸せな働き方を、元エンジニアの現役経営者と採用責任者が徹底解剖します。
<目次>
1.オープニング
2.営業機能・育成・仲間。フリーランスにはない、会社員の3つのメリット
3.会社員エンジニアのデメリット。避けられない「環境ガチャ」
4.「楽しくない」「評価されない」時の対処法
5.会社員としての「働きがい」の見つけ方
6.クロージング
1.オープニング
寺田:インフラエンジニアの本当のところ。言葉は有名でも、何かと知らないことが多いインフラエンジニアの世界。この番組は、キャリアや将来性、魅力など、ついつい隠れがちな「本当のところ」、インフラエンジニアキャリアの真実を、業界のプロであるエーピーコミュニケーションズの永江さん、小山さんと共に徹底解剖していくポッドキャストです。今回も始まりました、「インフラエンジニアの本当のところ」。
永江:エーピーコミュニケーションズの永江です。インフラエンジニア業界に23年以上携わっており、現在はエーピーコミュニケーションズで取締役副社長をしています。どうぞよろしくお願いいたします。
小山:エーピーコミュニケーションズの小山です。私は10年以上のIT業界での採用経験と、7回にわたる転職でキャリアを形成してきた人事です。エーピーコミュニケーションズでは採用責任者をしています。よろしくお願いします。
寺田:そしてMCを務めます、ベンチャー女優の寺田有希です。
さてさて、お2人は結構在宅も多くて、パソコンに向かわれることも多いかと思うんですけど、気分転換は何をしていますか?
永江:最近ですと、週末に妻と一緒にランニング半分、ウォーキング半分みたいなことをしています。家から7kmぐらい先の川辺にすごく素敵なカフェがあるので、そこを目指して走ったり歩いたりして、お茶やランチをしながら1時間ぐらい過ごして、またゆっくり戻ってくる、というのをやっています。全部合計すると3時間ぐらいかかるんですけど。
寺田:ええ、めちゃめちゃ素敵なご夫婦ですね。
永江:健康にもいいですし、気分転換にもなります。
寺田:そして夫婦仲も深まるし。
永江:そうですね。
寺田:皆さんには多分伝わらないんですけど、今、永江さんがとてもいい笑顔をしていらっしゃいます。
永江:あ、そうですか。
寺田:もう、ありがとうございます。
永江:暑いとちょっとできないんですけどね。今は涼しいので、ようやくできるようになったんです。
寺田:小山さんはどうですか?気分転換にしていること。
小山:もともとインドア派なので、ランニングや友達と飲みに行く以外はほぼ家にいる人間だったんです。でも最近、盆踊りとか民謡とかを聞くようになりました。
盆踊りの歌の歌詞とかに、そういう歴史や文化が散りばめられていたり、踊り自体も何かから影響を受けていたりするんです。僕は富山出身で、有名な「おわら風の盆」があるのは元々知ってはいたんですが。それに結構癒されて、来年は着物でも買おうかな、とか思ったりしています。
永江:そうなんですね。
小山:でも、1時間半とかずっと踊り続けるんですよ。なので、週末に20km走った後に、盆踊りを1時間半踊り続けるという、苦行のようなことをやったりもします。でも、全然使う筋肉が違うので、逆に良かったりもするんですけど。そういうのが最近の気分転換になっていますね。
寺田:そういうのもアリですね。面白い。
小山:最近、三味線とかも聞いたりしますね。胡弓とか。
寺田:いいですね。気分転換についてお話を伺いましたが、今日のテーマもちょっとそれに通じるかなと思います。
2.営業機能・育成・仲間。フリーランスにはない、会社員の3つのメリット
寺田:本日のテーマは「会社員エンジニアとして幸せに働くためにすべきこと」です。
フリーランスは「年収が高い」「自由に働ける」など魅力がたくさんあります。しかし、もちろんデメリットもあります。ということで、本日は会社員エンジニアとして幸せに働くためにできることを紐解き、キャリアの選択肢をお伝えできればと思っています。
では、まずは現在経営者もされている永江さんと共に、この概要を整理していきたいなと思うんですけれども。まず、この会社員エンジニアとして働くメリットとは何ですか?
永江:フリーランスの方と比較して考えますと、1つはやはり営業的なところですよね。フリーランスは原則として、自分で営業をやっていかなければいけません。今はエージェントのような形で仕事を斡旋してくれる会社もありますが、基本的には自己責任になってくる。それが会社員になると、会社として営業機能があって、仕事を取ってくる。エンジニアとして考えるのであれば、そこが1つのメリットかなと思います。
もう1つ挙げるとすると、「仲間がいる」ということ。もっと大きく言うと、例えば成長を促すための上司がいる点もメリットかなと。そこが煩わしいと感じる方もいるとは思いますが。フリーランスになると、指導や育成をする理由があまりないんですよね。あくまでフリーランスとして成果を提供してもらうのが基本なので、うまくいかなければ契約が続かない。でも会社の中だと、うまくいかないことがあっても、そこを成長するために「数年のスパン」で見てもらえることもあるので、そういう指導があるところが会社員のメリットではないかなと思います。
寺田:もう、痛いほど分かります。指導してくれる人がいない怖さ、辛さがありますね。何が正しいのか分からなくなることは、すごく多いんじゃないかなと思います。
永江:全部自分で気づくって難しいですよね。
寺田:成功も失敗も全部自分で見なければいけないのが大変だなと。成果も出さなきゃいけないし、でも自分の弱さを見ながら伸ばしたりもしなきゃいけないし。孤軍奮闘する中で、かなり大変なパートなんじゃないかなと思いますね。
永江さんも会社に長くいらっしゃると思うんですけど、この「会社にいて良かった」って思える瞬間ってあったりしますか?
永江:ありますね。やはり、「1人で戦っているんじゃない」と思える時です。
全部1人でやろうとすると限界がありますし、悩んでいる時に人と話をすることで、一緒に解決策を考えたり、相談して知恵をもらったり、励ましてもらったり。そういうことがあると心強いですし、そこが「いて良かったな」というところになると思います。
寺田:やはり、助け合う場面とかも多かったりするんですか。
永江:そうですね。常に、と言ってもいいかもしれません。誰かに支えられながらやっているな、という感覚はずっとありますね。
寺田:確かにフリーランスだと、この「仲間」もいないですもんね。
3.会社員エンジニアのデメリット。避けられない「環境ガチャ」
寺田:ではここからは、採用責任者でもある小山さんと一緒に、デメリットを深掘りしていこうかと思います。そして「どうしていけばいいのか」という具体的な行動も紐解いていけたらなと。
まず、会社員エンジニアであることのデメリットは何でしょう?
小山:会社の方向性自体を全部は変えられない、ということだと思います。
会社である以上、事業として「ここを伸ばしたい」「これをやりたい」という方針は当然あるわけで。自分がやりたくないこと、面白くないこと、あるいは「この人とは仕事したくないな」ということなど。そういうのは、「ガチャ」の要素がありますよね。自分で全部コントロールができない部分がある、ということです。
フリーランスは逆に、それを自分で選択できるとは言い切れないまでも、嫌な人とは仕事をしなかったり、自分が楽しいと思う案件を営業で取ってきたり、ということはできますから。その辺りは、会社員のデメリットの一つなのかなとは思いますね。
フリーランスのブームが、一時期盛り上がった際には「こういう点が不満なら」といった趣旨の歌い文句で、フリーランスになることを勧める風潮がありました。フリーランスのエージェント会社なども同様の宣伝をしていたように思います。そうした宣伝文句で指摘されていた点こそが、まさに会社員であることのデメリットを反映していたのではないかと思います。
寺田:そこがやはり一番大きいですか?
小山:そうですね。決まったことを、たとえ納得しなくてもやらなければいけない、ということはあります。これはエンジニアだけではないと思いますが、エンジニアの場合は物作りやアウトプットが伴うので、こだわりや思いがそれぞれあると思います。
寺田:他にはありますか?
小山:働き方の部分は、昔はあったかもしれません。今は、エンジニアもリモートで働ける場合が多くなりましたが、会社員となると会社の就業規則もあります。「本来はリモートでできるんだけど、ダメ」みたいな。最近は「出社回帰」みたいな動きもありますし。ある人たちだけを優遇するわけにはいかなかったり。福利厚生などもそうですよね。その辺りはあるかもしれませんね。
4.「楽しくない」「評価されない」時の対処法
寺田:じゃあここからは、具体的にどうしていけばいいのか聞いていきたいんですけど、「今の仕事が楽しくない」と感じた時、どう見直していけばいいですか?
小山:そうですね。これもエンジニアに限った話ではないと思いますが、「何が楽しくないと感じているのか」をまず言語化することが、すごく大事だと思います。一番怖いのは、「漠然と楽しくない」という状態で、これが一番危ない。
寺田:ああ。
小山:人って感情で生きているので、楽しい時と楽しくない時があると思うんです。でも、それぞれに理由があるはず。意外と仕事が原因じゃなかったりする時もありますしね。「楽しくない」と思ったら、実はプライベートで嫌なことがあって、それを引きずってしまっているとか。
まずは、何に対して「楽しくない」と思っているのか、その原因をはっきりさせること。そこが分からないと、改善策が打てないんです。仕事そのものなのか、人間関係なのか、待遇面なのか、それともプライベートなのか。
例えば、僕みたいにランニングが趣味の人が、「大会に出たいのに、最近仕事が忙しすぎて行けてない。結果、仕事が楽しくない」みたいにストレスが溜まる、という人もいるかもしれませんし。
寺田:確かに。
小山:だから、その辺りをまずハッキリさせた上で、見直していく。例えば「労働時間が長いから楽しくない。そういえば、うちは会社から遠い。よし、引っ越すか」みたいな考え方もあるかもしれません。原因を会社の中にだけ求めてしまうと、実は気づかなかったりすることってあるんですよね。
寺田:確かに。何でもかんでも転職や仕事を変えることで解決できるわけではないですもんね。だから、まずは言語化ですね。
小山:そうなんです。それができていない人は多いと思います。悩みが漠然としていて、全部「転職」で解決できると思っている。でも、「転職」も手段の一つなので。結果的に、違う問題が起きる可能性もあるんです。
今の会社では感じなかったことが、次の会社で不満になる、ということもありますから。
寺田:では次のご質問で、会社で「自分の価値が正当に評価されていない」と感じた時、これはどうしたらいいですか?
小山:これは…上司がいる前で答えるのは話しづらい部分はありますが(笑)、私自身もこのジレンマを感じたことはあります。今の会社ではなく、過去にです。
これには側面がいくつかあると思っていて、そもそも自分の価値を過剰に捉えてしまっているケース。
本来はそこまでの価値はないのに、自分には価値があると思い込んでしまっているパターン。メタ認知ができていない、結構危ない状態です。「俺はこんなに頑張ってるのに、評価しない会社や上司が悪い」というパターンになる。そういう人が転職活動をしても、面接でそういうのが出てしまって、うまくいかないこともあります。
だからまずは、自分が「できている」と思っていることが、客観的に見ても価値があるレベルなのかを冷静に考える必要があります。それをクリアしているのに評価されていないと感じたら、「なぜ評価されていないのか」の原因を確認しに行きます。
これは私も気をつけています。昔、「なぜAさんはマネージャーを任されているのに、僕は任されないんだ」と思ったことがありました。僕は結果を出している、と。でも、なぜ僕より実務で結果を出していない人がマネージャーになるのか。
当時は「プレイヤーとして実績を出している人がマネージャーをやるべきだ」と思っていましたが、本来はそうじゃない。マネージャーとプレイヤーの適性は別ですよね。
寺田:うん。
小山:でも30歳前後の私は「チームワークよりも、自分が結果を出せばチームの結果になるんだからいいじゃん」と思っていた時期がありました。今の私だったら、そういう人は絶対にマネージャーにしませんが。
評価されない時は、評価者の視点に立ってみるといい。上司が頑張ってほしいと思っているところを頑張っていなかったり、自分がやりたいことだけを頑張っていたり。そもそも期待値がズレている、というところは一度見直した方がいいかなと思います。
寺田:その見直し方って、自分で考えていくんですか?それとも聞きに行くんですか?
小山:これはフィードバックをもらいに行くのがいいと思います。人の成長は、7割が行動、2割がフィードバック、1割がインプット、と言われています。この2割のフィードバックは、年を取ったり役職が上がったりするほど、もらえなくなるんですよ。
なので、自分からフィードバックを受けに行くことが大事です。待っていても来ない。私は、SNSなどで壁打ち相手を募集して、「今マネジメントで悩んでいるので、壁打ちさせてください」と。自分の弱い部分をあえてさらけ出して、フィードバックをもらいに行く、ということを定期的にやっています。
結構、厳しいことを言われる時もありますよ。
寺田:そうなんですね。「フィードバック」と聞くと、上司に聞きに行かなきゃいけないのかなと想像したんですけど、方法はそれだけじゃないんですね。
小山:そうですね。上司から見た視点も大事ですが、同僚から見た時、社外の人から見た時、家族から見た時、という視点もある。上司からのフィードバックが自分のすべてではないんです。
一方からのフィードバックだけだと落ち込んでしまいますが、他のフィードバックを受け止めると、違った視点が見えてくる時もあります。
自分はちゃんとやっているのに、でも評価されない、という時。上司は「君はこうだから評価しない」と言っている。でも、外部からフィードバックをもらうと、「それは違うかもね。活躍の場はここじゃないかもしれないよ」と言われることもあるかもしれない。そこで気づいて転職、というケースもあります。
ただ、逆に気をつけなきゃいけないのは、「おだてられて」転職してしまう人。「そうか、自分が正しいんだ」みたいに判断を誤っちゃう。外部のフィードバックにのせられすぎないよう、冷静に考えることも大事です。どうしても、自分にポジティブなことを言ってくれる人の話に耳を傾けたくなりますから。
寺田:ネガティブなことよりは…。なるほど。
小山:特に、上司から評価されないというネガティブな気持ちの時にポジティブな意見を聞くと、そっちについつい行っちゃうんです。
そして、結果的に失敗する。なぜなら、自分で決せずに人の影響で決めているからです。他社の意見は参考にしつつも、気をつけないといけないですね。
5.会社員としての「働きがい」の見つけ方
寺田:ありがとうございます。じゃあ、これどうでしょう?「幸せに働いているエンジニアさん」の共通点ってありますか?
小山:これはエンジニアに限ったことではないですが、いい意味で「公私」が充実している人でしょうかね。仕事も一生懸命楽しんでいるし、趣味も全力で楽しんでいる人が、割と幸せに働いているかな、と思います。
寺田:やっぱり大事ですね、プライベートな時間も。
小山:そうなんです。トライアスロンをやっていたり、民泊運営をしています、という人がいたり。皆さん、中途半端じゃなくて結構ガチなんですよ。
寺田:プライベートも充実しているからこそ、仕事も頑張れるんでしょうね、きっと。
小山:多分、お互いがシーソーみたいになっていて、どっちかだけだと成り立たない。プライベートで使った筋肉を仕事で緩ませて、仕事で使った筋肉をプライベートで緩ませる、みたいな。使っている筋肉が違うから、そのバランスが取れているんでしょうね。一方に行きすぎて、幸せそうに働いている人ってあまりいないかもしれないですね。
寺田:ではここからは、「働きがい」みたいなところを、経営者もされている永江さんと一緒に考えていきたいなと思います。会社員としての「働きがい」、これの見つけ方も難しいイメージがあるんですが、どうやって見つければいいですか?
永江:人によっては難しいと感じるかもしれません。ただ、基本的には「自分が人の役に立っている」ということが、働きがいになることが多いと思います。それは、エンジニアとしてお客様に喜んでいただけるとか、所属している会社に大きく貢献している、とかです。
ただ、特にエンジニアの方で、その意識をあまり持っていない人もいるかな、と感じています。「技術的に面白いかどうか」でスタートしている人も結構いる。それはそれで「楽しいことができているから働きがいがある」という人もいるかもしれませんが、それだけだと「これ、何のためにやっているんだっけ?」という疑問にぶつかると思うんです。
なので、やはり「自分はどのように貢献できているのか」を、ちゃんと自分で考えて意識していくことが重要だと思います。
寺田:そこをご自身で考えていく力は、やはり付ける必要があるんですかね。
永江:はい、そうだと思います。
寺田:では、この力をつけていくためにできること、すべきことはありますか?
永江:今日は「会社員エンジニアとして」というテーマなので、所属している会社がある前提ですが、その場合、会社の中期経営計画やビジョン、あるいは事業部の年度目標などです。ある程度の規模の組織なら、「来年度こうする」「数年後こうする」という計画があると思うんです。
それらは、要は「まだできていないけれど、こう伸ばしていきたい」ということですよね。そこと、「自分がやりたいと思っていること」を、何かしら重ねていく作業をするのが一番いいと思います。
寺田:落としどころ、ですね。
永江:完全には重ならないとは思います。自分が本当に好きでやりたいことと、所属している企業や部署の目標が、100%ピッタリ合う、ということはかなりレアだと思います。
逆に、全く重なりが見つけられない、ということもそんなに多くないかなと。何かしらの重なりを見つけて、それが「会社に貢献している」し「自分がやりたいこと」でもある、という部分を見つけるんです。
本当にそれが見つからない場合は、多分、環境が合わないんだと思います。
寺田:そうなれば、やはり転職を考えていった方がいいのかもしれないですね。じゃあ、まずはその重なりを探していく努力も必要ですね。
永江:そうですね。なので、自分の組織を把握するということは、近道の一つだと思います。
寺田:これは会社員、働く側の視点だと思うんですけど、企業側がやっていることもあるんですか?
永江:それもお互いに似ていることで、会社として「こうやっていくぞ」という提示をすること。IT企業の場合、資本は「人」になることが多いので、社員に、会社の方向性と自分を重ねてもらうことが必要なんです。
これは、会社が一方的に社員を選ぶだけでなく、働いている側も会社を選んでいるので。誰もついてこないような計画や事業だと、人は集まらないし、抜けていってしまいます。
いかに魅力的で、かつ社会やお客様の役に立つ、ということを提示していくかが、会社としては必要になっています。
寺田:あと、取り組みとして、特にエーピーコミュニケーションズだと「アワード」(表彰制度)を実施されているんですよね。
永江:そうですね。
寺田:これも結構、働きがいにつながるのかなと思ったんですけど、いかがですか?
永江:はい、まさにその通りです。今お話しした「中期経営計画をしっかり伝えていく」ということにもつながっているんですが、私たちのアワードは、項目がいくつかあるんですけど、それらが中期経営計画のカテゴリーと連動しているんです。
例えば、ある事業の拡大を軸にしている場合、その事業に貢献してくれたチームや個人を表彰する、となるんです。カテゴリーごとに期待するものは違いますが、事業拡大や新しい探索をしてくれた、といった観点で評価をしています。
寺田:すごい。これも事業計画が元になっているんですね。
永江:そうなんです。だから、ずっと同じではなく、中期経営計画も変わっていくので、その方針に合わせて表彰項目も変える、ということを意識してやっています。
寺田:面白い!そうすると、足並みが揃いそうですね。事業計画も分かるし、貢献している人も分かるし、「あ、こっちに進めばいいんだ」って社員も分かりやすいですよね。
永江:それが私たちからのフィードバックでもあると思っています。
「こういうことを計画書で考えていました。そして、実際にこういうことをやってくれた人を、私たちは表彰したいんです」というところの「見える化」なんだと思っています。
寺田:いやあ、こういうのがあると分かりやすくて素晴らしいなと思うんですけど、全ての会社がしているわけではないので、やはりご自身でも事業計画とかを見て考えていくのが大事、ということですね。
永江:ただ、これ、結構その作業が非常に大変でして。
寺田:そうなんですね。
永江:中期経営計画って、数年間の計画なので抽象度が高いことが多いんです。何をもって選ぶのか、というところで、定量的な部分だけでは決められなくてですね。
そこは定性的な評価になるんですが、それぞれのチームでやっていることが全く違うので、その中で「これが絶対的に1番だ」と決めるのは難しい。それでも、私たちの姿勢として「今回はこれを選ばせてもらいました」という姿勢でやっています。
寺田:社員側も、それが100%の正解だとは思わず、考え続ける力をご自身でつけていく、というのも大事かもしれませんね。
永江:そうですね。いかにその意図を読み取って、そこに重ねるように貢献して、あとは「しっかり伝えていく」ということもすごく大事だと思います。
寺田:それは両者が、ですか?
永江:そうですね。特にエンジニアの方も、自分が何に貢献したかを伝える時、「頑張りました」ではなく、「何に対して、どういう貢献をしました」ということを、具体的な根拠と共に伝えられると「確かにね」となると思います。
人数が多くなるほど、均等に見ていくことはできなくなるので、そこはしっかり伝えていくことが必要になってくると思います。
寺田:難しさは感じますけど、でもそういうのはやっていかなきゃいけないですね。
6.クロージング
寺田:会社員であることも、フリーランスと比べると特にですけど、魅力的に見えることがたくさんあって、そのためにやるべきことも、今日はっきりしたかなと思います。どうでしたか、永江さん?
永江:そうですね。それぞれ一長一短というか、メリット・デメリットがあるんだと思います。その中で、目の前のことだけでなく、中長期的に考えてどうなのか、という視点で考えられるのがいいのかなと。
寺田:先を見据える視点、大事ですね。小山さんどうでしょう?
小山:割と「どっちがいいか」といった話になりがちですけど、やっぱり「100対0」みたいなのは多分ないと思うんです。自分自身が大事にしたいことや、客観的なフィードバックも踏まえて、冷静に考えて、焦って飛びつかないようにする。自分で正しく判断することが大事なんじゃないかなと。
私も結果的に「会社員の方が自分には合っている」と思って今もやっています。フリーランスを勧められたこともありましたが、自分としては「フリーランスじゃないな」と信念を持っていたりするので。それも色々な観点から考えた結果なんですけど。
寺田:いや、やはり幸せに直結させるためには、自分で考える力は大事ですね。
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それではまた来週、バイバイ!
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