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2026/04/16

インフラエンジニアのホントのところ2 #7|本当になくなってしまうのか?これからの時代のオンプレミスとの向き合い方

インフラエンジニアのリアルな現場を深掘りするPodcast「インフラエンジニアのホントのところ」。Season2のメインテーマは、「AI時代を生き抜くキャリア術」。

MCにはベンチャー女優の寺田有希さんを迎え、当社の副社長永江耕治と採用責任者小山清和が、現場・経営・採用の視点から、加速するAI時代の生存戦略を徹底解剖します。

今回は「AI時代におけるオンプレミスとの向き合い方」をテーマに、物理環境を知ることの真の価値を深掘りします。クラウド全盛の今、あえてオンプレミスを学ぶことがなぜエンジニアとしての「希少価値」に繋がるのか。AI時代に求められる「市場での勝ち残り方」や、技術の延長線上にはない「ビジネススキル」の重要性について、考えます。

<目次>
1.オープニング
2. クラウド全盛期に起きている、オンプレ回帰?!
3. エンジニアにとってのオンプレ経験の希少価値
4. 採用目線で見る、物理を知っている強み
5. これからの10年を見据えたキャリア戦略
6. 技術の延長線上にはない「ビジネススキル」の重要性
7. クロージング

1.オープニング

寺田: 「インフラエンジニアの本当のところ:AI時代を生き抜くためのキャリア術」。この番組は、元インフラエンジニアの現役経営者と、7度の転職でキャリアを築いてきた採用責任者が、AIの進化が止まらない現代におけるインフラエンジニアの転職・キャリア・生き残り方を徹底解剖するポッドキャストです。

最先端の現場トークから、個人では得づらいリアルなキャリア情報まで、この番組を聴けばインフラエンジニアのホントのところが分かります。

永江: エーピーコミュニケーションズの永江です。インフラエンジニア業界歴は23年以上で、現在はエーピーコミュニケーションズの取締役副社長をしています。よろしくお願いします。

小山: エーピーコミュニケーションズの小山です。私は10年以上のIT業界での採用経験と、7回にわたる転職でキャリアを形成してきた人事です。エーピーコミュニケーションズでは採用責任者をしています。よろしくお願いします。

寺田: そしてMCを務めます、ベンチャー女優の寺田有希です。

さてさて通常回に戻りましたが……前回の特別回はいかがでしたか?

永江: どうなるかなと思ったのですが、ああいうやり方もいいですね。日々議論している内容もどんどん変わっていくので、記事にするよりも喋った方が早いなと感じます。

寺田: やはり話した方が鮮度が出ますよね。今後も最新技術などの新トークをお届けしてまいりますので、ぜひお楽しみに。

さて、時代は変わっていきます。本日は「オンプレミス(オンプレ)」に特化してお話ししていきたいと思います。

2. クラウド全盛期に起きている、オンプレ回帰?!

寺田: 本日のテーマは、「本当になくなってしまうのか?これからの時代のオンプレミスとの向き合い方」です。

クラウド、そして最近ではAI技術が登場し、環境が大きく変化しました。とはいえ、昔ながらのオンプレも依然として残り続けています。本日は、オンプレ技術は本当に終わってしまうのか、これからの10年をどう見据えるべきかを、永江さんと小山さんと共に徹底解剖していきます。

寺田: 10年?15年前にクラウドが登場しても、今なおオンプレはなくならないというお話はシーズン1でも伺いました。この「共存時代」は、今後10年、20年先も続いていくのでしょうか? それとも早々に終わる時代が来るのでしょうか?

永江: 結論から申し上げますと、オンプレが消えることはありません。むしろ今は適材適所の流れが強まっています。一時期、クラウドが登場して市民権を得た頃は「何でもクラウド」という風潮もありましたが、今はあえてオンプレを選択するケースも、実はあるんですよ。

「クラウドは安い」というイメージがあるかもしれませんが、使い方によっては、かえってクラウドの方がコストが高くなることもあります。「オンプレの方が結果的にコストを抑えられる」という判断をする組織もありますね。

また、データの主権を他所に預けず自分たちで管理したいという考え方や、物理的な距離の近さが求められるケースもあります。0.1秒を争うようなスピードが求められる場面では、物理的に近いオンプレの方が有利なこともあるんです。

寺田: クラウド全盛の今、まさかの「オンプレ回帰」のような動きがあるのですね。

永江: ただ、「回帰」と言っても、すべてがオンプレに戻るわけではありません。比率としてはクラウドが優勢であることに変わりはありませんが、一定の割合は確実に残り続けるということです。

寺田: 残り続けている割合というのは、現在どのくらいなのでしょうか?

永江: IDC Japanなどの調査データ(2024年?2025年予測)を見ると、オンプレは2割弱といったところです。パブリッククラウドが約6割、プライベートクラウドが約2割。クラウドが全体の8割を占める状況は、今後も大きくは変わらないでしょう。

オンプレがここから急増することはありませんが、1割から2割程度のシェアは、今後も維持されていくと言われています。

寺田: 今と変わらないバランスで、続いていくということですね。

永江: そうですね。そこまで大きくは変わっていかないでしょう。

寺田: だとしたら、オンプレを扱う人は継続的に必要ですし、その技術の価値も残り続けますね。

永江: そうですね。ただ、全体の割合としては決して大きくはない、という状況は変わらないと思います。

3. エンジニアにとってのオンプレ経験の希少価値

寺田: クラウドエンジニアを目指すべきか、オンプレで戦い続けるべきか、という議論は今後も続くと思います。その上で、これから10年先のオンプレ技術の価値をどう考えればよいでしょうか。

永江: エンジニアのキャリア観点でお話しすると、オンプレの経験を持つ人はだんだん減っています。ベテランは全員オンプレを経験してからクラウドへ移行しましたが、今の30代以下の方は、キャリアのスタートからクラウドだったという人が非常に多いんです。

そのため、オンプレが分かることは、今や「希少価値」であると言えます。物理的な層も含めてシステム全体を把握していることは、基礎を深く知っているという証になり、キャリアにおける付加価値になるはずです。

寺田: クラウドエンジニアとして活躍するにしても、オンプレの知識は重要なのですね。

永江: 分かっているとより良い、という感じですね。

クラウドが8割の市場であっても、オンプレの知識や経験があることは大きな強みになります。深い知識が求められる場面で、構造的にシステムを理解して解析・判断できるエンジニアは、非常に重宝されますから。

寺田: 現場の技術としてだけでなく、教育現場などでもオンプレ技術は活かせそうですね。

永江: キャリア戦略として考えるなら、市場が1?2割と考えると、オンプレだけに特化するのはリスクがあるかもしれません。しかし、「オンプレも深く知っていて、クラウドもそれなりにやれる」という状態は、エンジニアとして武器になります。

何かトラブルがあった際、より構造的に深く理解して解決できるのは、物理層からの知識を持っている人だと思います。

大切なのは、自分がこれから長い将来にわたって、どう価値を出し続けていくのかを考えることだと思います。最近は「AIが仕事を奪う」といった話もよく耳にしますが、確かにオペレーション的な業務、つまり「決められた手順で何かを操作する」といったレベルの仕事は、今後AIに代替されてしまう可能性が非常に高いでしょう。

しかし、システムの根本的な仕組みを理解し、深い知識を持っている人は、簡単には代替されません。将来的に自分の仕事内容が変化していく可能性を踏まえると、今のうちに基礎をしっかりと固めておくことは、将来の生存率を上げることに直結するはずです。

寺田: 単に現場で使う技術としてだけでなく、将来を見据えた「自分を守る武器」としてオンプレの知識を身につけておく、ということですね。

永江: はい。市場動向を冷静に見極めることも重要です。これからエンジニアを取り巻く市場がどう変化していくのか、正解は誰にも分かりません。

ただ、今の流れから考えると、「深い知識を持っている方が、エンジニアとして長く強いキャリアを築ける」というのはあると思います。もしそう思われるのであれば、あえて今、オンプレミスのような道を通って経験を積むのは、戦略の一つになるでしょう。もちろん、それが唯一の正解というわけではありませんが。

4. 採用目線で見る、物理を知っている強み

寺田: 小山さん、採用の責任者という目線から見て、オンプレ技術を持っている人の価値はいかがですか?

小山: 経験しておいた方がいい、というのが私の考えです。当社がネットワーク領域で強みを発揮できているのは、やはり「物理」を知っているからこそだと思っています。長くこの仕事をやってきたからこそ分かる、物理的なトラブルの予兆や勘所があります。

新しい自動化ツールを使いこなすにしても、物理層を理解して使うのと、全く知らずにツールだけ使うのでは、理解の深さが違います。オンプレとクラウドの両方ができれば、対応できるお客様の幅もぐっと広がりますしね。

寺田: 採用の際、オンプレの経験がある人の方が取りたくなりますか?

小山: それは一概には言えません。案件のニーズによります。「クラウドしかやらない」という会社ならクラウド経験者が優先されますし、その逆も然りです。

ただ、企業の課題は千差万別です。クラウドだけでは解決できない課題に直面したとき、オンプレの知識という「引き出し」を持っているエンジニアは、より多角的な提案ができます。ロジカルに解決策を導き出すためにも、経験は決して無駄になりません。

5. これからの10年を見据えたキャリア戦略

寺田: では、これからの10年を見据えた具体的な「キャリア戦略」について伺います。永江さん、どうでしょうか。

永江: その方のキャリアの現在地によって異なります。もし若手で「これから経験を積む」という段階なら、早い段階であえてオンプレの経験をしておくことは、長い目で見るとプラスになるかなと思います。

寺田: インフラエンジニアを目指すなら、やはりオンプレから入るべきですか?

永江: いえ、必ずしも「べき」ではありません。

先ほどお話した通り、市場の8割がクラウドである以上、2~3年という短期的な効率を考えるならクラウドから入るのが正解です。ただ、その後10年、20年とキャリアを続けていくなら、どこかのタイミングでオンプレという「基礎基盤」をしっかり固めておくことが、エンジニアとしてのプラスにつながります。

寺田: クラウドから入って、途中でオンプレの案件を受け、またクラウドに戻る……といった動きも可能ですか?

永江: 可能です。ただ、それは会社によりますね。そもそもオンプレとクラウドの両方の案件を持っている会社は限られています。「キャリアの選択肢を幅広く持てる環境」を選べるかどうかが、転職戦略としても重要になってくるでしょう。

将来的に希望や、やりたいことが変わる可能性はありますが、「どういうキャリアを築いていきたいか」を考えることはやはり重要です。

エンジニアとして入社した後、スペシャリストとして技術を深掘りし続ける人もいれば、マネジメント側、いわゆるPMや管理職へ進む人、あるいは営業的な役割を担う人など、道は多岐に分かれます。目指す役割によって、オンプレの知識が必須となるケースもあれば、それほど必要ないケースもある。自分がどこに向かいたいか次第なのだと思います。

寺田: とはいえ、今後も「クラウド技術だけができる人」の需要が減るわけではないですよね?

永江: ええ、基本的には減らないと思います。

寺田: それなら、戦略として「クラウド一本」に絞るのも一つの道でしょうか。

永江: ただ、これから予測できないのは、AIの登場によって「エンジニアに求められること」自体が変わっていく可能性がある点です。

例えば、開発の現場ではすでにAIによる代替が始まっています。インフラに関しては、まだそこまで大きな影響はありませんが、技術的には適用範囲が着実に広がりつつあります。

では、「AIに代替されないもの」は何か。それは、システム全体を俯瞰して深いチェックができたり、プロジェクトマネジメントができたりする能力です。そうした役割を担うとき、技術的な土台がしっかりしていることは大きなプラスになります。

AIによって人がやる範囲が減ったとしても、技術力が圧倒的に高い人への需要は減りづらい。長い目で見た「生き残り戦略」のオプションとして、オンプレを経験しておくのは有効な選択肢だと思います。

寺田: 「クラウドだけでもいけるが、先を見据えてAIに代替されないためのバランスとして、オンプレも視野に入れる」という考え方ですね。

永江: はい。物事はそう単純な「白か黒か」の話ではないということを、ぜひお伝えしたいんです。

寺田: 確かに、ネットで調べると「これからはクラウドエンジニアになるべきか?!」といった極端な議論を見かけるので、ついつい二元論で質問してしまいがちですが……。

永江: 実態はそうではないです。

寺田: 自分なりの「グレーゾーン」をどう作り、戦略を立てるかが大事なのですね。

永江: 原則はやはり市場の需要と供給です。例えば、オンプレは市場全体で見れば少数派ですが、その少ないパイの中に残り続ける需要があり、且つそれを担える人が少なければ、需要に対して供給が不足します。そうなれば、その技術を持つ人は市場で引っ張りだこになりますよね。

寺田: 希少価値が生まれるわけですね。

永江: そうなんです。逆に、需要に対して供給が過剰になれば、市場価値は下がってしまいます。ですから、「オンプレは終わる」といった議論に振り回されるのではなく、市場を冷静に見ることが大切です。

クラウドが主流で、オンプレは適材適所で活用されるという事実は受け入れつつ、オンプレ需要がゼロになることはほぼないという前提で、自分のキャリアをどう置くかを考える。それが本質的なキャリア戦略だと思います。

6. 技術の延長線上にはない「ビジネススキル」の重要性

寺田: 小山さん、10年先を考えた時のキャリア戦略について、補足はありますか?

小山: そうですね。キャリアについては人それぞれだと思いますが、最近感じるのは、昔ほど「技術一点突破」だけでは通用しなくなっているということです。

システムの規模感が大きくなり、需要が多様化する中で、ビジネス的な視点やクリエイティビティといった要素が不可欠になっています。

寺田: つまり、純粋な技術力だけでは乗り越えられない壁がある、ということですね。

小山: 投資家や経営層が相手ならなおさらです。ビジネスという要素が入ってくると、技術に明るくない人に対しても提案を行い、受注を勝ち取らなければなりません。その局面で「最新の技術だから優れています」とだけ言っても、相手には全く響かないわけですよ。

寺田: 確かに、専門外の人には価値が伝わりにくいですよね。

小山: そういった場面では、ビジネス的な要素、例えばROI(投資対効果)を正しく理解し、説明する力が求められます。「インフラにこれだけの投資をすることが、事業にとってどれほどのインパクトをもたらすのか」という視点です。セキュリティも同様ですね。「もし対策を怠れば、これだけの損失が出る可能性がありますよ」といったリスク管理の視点を織り交ぜながら、技術の必要性を伝えていく。

また、お客様の課題を明らかにするためには、対話を通じて背景を想像し、本質的な悩みを聞き出すインタビュー能力も必要です。これらはすべて、技術の研鑽とはまた別の次元の話なんです。

今の複雑で大規模なITインフラ環境においては、投資額が数十億にのぼることも珍しくありません。そうなると、経営側に対して「優れた技術だからやりましょう」という理屈だけでは、決して首を縦には振ってもらえない。

ですから、オンプレ派の人もクラウド派の人も、技術だけを追い求めるのではなく、こうした「非技術的要素」を同時に伸ばしていくことが、これまで以上に重要になっていると感じます。

特に上流工程やプロジェクトマネジメントを目指すなら、なおさら必須のスキルですね。こうした変化は、現場の裏側でもものすごい勢いで起き始めています。採用要件や現場のニーズも、確実に応答を迫られているんです。

寺田: 今知っておかなければいけないことばかりですね。水面下の変化が表面化するのに、だいたい10年くらいかかるイメージを持っていましたが……。今の知識や戦略を理解していないと、10年後にはもう戦えなくなってしまいますね。

小山: さらに怖いのは、AIの登場によってそのスピードが、私たちが経験したことのない次元に加速していることです。

寺田: そっか……。今までの感覚で「10年」と思っていても、下手したら2、3年で手遅れになってしまうかもしれない。来年が怖いですね。

小山: その可能性は十分にあります。「まだ大丈夫だろう」と高を括っていたら、気づいた時にはもう追いつけない。AIの進化の1年は、人間の成長速度とは比較にならないほど濃いんです。1年もあれば、前提条件がすべてひっくり返るような劇的な変化が起こり得ます。

実際、少し前まで「仕事ではまだ使えないよね」と言われていた生成AIが、今ではこれほど正確に答えを出している。これを数年前に正確に予測できていた人がどれだけいたでしょうか。大半の人は「まだ先の話だ」と思っていたはずです。

寺田: 確かにそうですね。

小山: クラウドにしても、AWSの東京リージョンができてからまだ15年ほどしか経っていません。その短期間でこれほどマーケットが激変したんです。AIによる進化の歴史は、その比ではないスピードで進みます。これまでの常識が、一瞬で完全にひっくり返る覚悟をしておくべきだと思いますね。

7. クロージング

寺田: クラウドの普及も、日本ではここ15年ほどで一気に進みました。今後、それ以上の激変が起こるかもしれないということですね。永江さん、最後にアドバイスをお願いします。

永江: 将来予測はますます難しくなります。「正解のレール」を求めるのはもう厳しいでしょう。だからこそ、変化に適用していく能力そのものが、最も重要なスキルになると思います。

小山: 自分の得意なところを磨きつつも、それだけに固執せず、マーケットを冷静に見ながら仕事をすること。そして、ポジショニングトークに惑わされず、自分なりのキャリア戦略を立てていくことが重要ですね。

寺田: 皆さんもぜひ参考にしていただければと思います。

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それではまた来週お会いしましょう。バイバイ。

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