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2025/07/08

【事業部紹介:UPS(後編)】UPSがつくる未来──TradeOCR開発、チームの挑戦とこれから

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※この記事は【後編】です。
まだ【前編】をお読みでない方は、UPSの挑戦の原点をぜひご覧ください。

【事業部紹介:UPS(前編)】挑戦の原点──TradeOCR誕生秘話と課題への挑戦

【事業部紹介:UPS(後編)】UPSがつくる未来──TradeOCR開発、チームの挑戦とこれから

TradeOCRに込めた技術的こだわり

小宮山
TradeOCRの技術的な特徴や、開発にあたってこだわった点について教えていただけますか?

井上
はい。 TradeOCRを作るにあたって、ものすごく意識したのは、「ユーザーファーストでものを作る」ということです。

通関業務で扱う書類って、フォーマットが荷主ごとにバラバラなんですよ。しかも新しいお客様からの書類もどんどん届くので、次から次へと新しいフォーマットが増えていく状態です。そんな中で、従来のOCRは、読み取りたい項目ごとに、事前に読み取る位置を指定する必要があり、忙しい現場の方々にはフィットしづらいと捉えています。

▼貿易書類に特化したAI-OCR「TradeOCR」
https://www.ap-com.co.jp/trade-ocr/

小宮山
なるほど。従来のOCRだと、現場にフィットしなかったわけですね。
では、TradeOCRでは、その問題をどう乗り越えようとしたんですか?

井上
一言でいうと、「読み取る位置を事前に定義しなくても読み取れるようにする」ことです。時間が無く忙しい現場の方々のために、どんな書類でも、パッと読み込んで、パッと必要な情報を取れるようにしました。
正直、それを実現することは非常に難しかったです。しかし、そこにこだわらないと結局、現場の課題は解決できないと思いました。

開発の中で感じた難しさと工夫

小宮山
確かにそれはユーザーファーストな設計といえますね。
”実現が難しい”のは具体的にどのような点ですか?

井上
書類ごとにレイアウトが違ったり、 場合によっては個性がある手書き文字で書かれていたりするため、単純なOCRエンジンを使うだけでは、どうしても高い読み取り精度が出ないんです。そこで、書類に前処理を加えたり、書類全体の構成をパターンとして捉えたり、 小さなズレや違いを許容できる工夫を行ってきました。
結局、ずっと意識していたのは、「これって現場で本当に使えるのか?」っていう一点だけで、今後の開発でもこのこだわりは持ち続けます。

現在の開発フェーズと、チームで積み上げてきた手応え

小宮山
現在、TradeOCRの開発状況はどのようなフェーズにあるんですか?

井上
現在は、お客様から求められている機能の8割くらいは完成している状態です。あとは、細かなチューニングとか、実際に使ってもらったときに出てきた要望を反映していくフェーズですね。もう少しブラッシュアップすれば、本番運用に耐えられるレベルにはなってきていると思っています。

小宮山
なるほど!では、リリース間近という感じなんですね。今、一番注力していることは何ですか?

井上
一番力を入れているのは、やはりOCRの精度をもっと高めていくことですね。
今もかなりいい線までは来てるんですが、それでも現場の業務で使うとなると、ほんの少しの間違いが致命的なミスに繋がることがあるので、精度を高めることにはとことんこだわりたいです。

より精度を高めていくために必要なのは、リアルな現場のデータなのですが、私たちは通関企業ではないので、最初はデータの量が圧倒的に足りませんでした。ですが、少しずつトライアルとして使っていただけるクライアント企業様が増えてきて、リアルなデータをもとに学習を重ねられるようになってきたので、この勢いでどんどん精度を上げていきたいと思っています。

チームで積み上げてきた良いサイクル

小宮山
そうなんですね。実際にここまで開発を進める中で、チームとして手応えを感じる瞬間はありましたか?

井上
そうですね。やはり、フルスタックエンジニアが加わってから、開発スピードが一気に上がった実感があります。さらに、ビジネスサイドと開発サイドのフィードバックループもすごくいい形で回り始めました。お客様からの声をすぐに拾って、それをもとに改良して、またフィードバックをもらって…。このサイクルが回るようになってきたのは、すごく大きいですね。

少人数チームではあるんですけど、その分、意思決定も早いし、何より「お客様に本当に役立つものを作る」っていうゴールに全員が向かっている感覚がある。それがすごく良いなと思っています。

UPSの雰囲気と働きがい

小宮山
いいですね!普段のUPSについて教えてもらえますか? 実際どんな雰囲気で働いているんでしょうか?

井上
雰囲気でいうと、すごくメリハリがはっきりしていると思います。雑談するときは本当に和気あいあいとしてますし、でも、仕事の話になると一気にロジカルに切り替わる。オンとオフの切り替えが自然にできるチームですね。
基本的にはフルリモートのため、直接顔を合わせる頻度は年に3回程度とそんなに多くないですが、その分、必要な時にはすぐにSlackやGoogle Meetで会話し、無駄なく進めるリズムができています。

小宮山
なるほど。リモートでも連携できる、いいチームなんですね。ちなみに、UPSで働く魅力は、どんなところですか?

井上
自分で考えて、実行できる環境があることだと思います。今はゼロから新しい事業を作っているフェーズなので、「これやりたいな」と思ったことがあれば、自分で動いて試すことができます。決められたことを淡々とこなす、みたいなチームではないので、自分で課題を見つけて、仮説を立てて、試してみる。そうした動きができる人にとっては、すごくやりがいがあると思います。

小宮山
今のチーム体制についても教えてください。

井上
今は4名体制です。私がPdM(プロダクトマネージャー)を務め、同期のメンバーはマーケティングや営業支援を担当しています。あとはフルスタックエンジニアが1名、機械学習エンジニアが1名という構成です。
正社員もいれば、パートナー(業務委託)として関わってくれているメンバーもいます。
それぞれ役割分担はありますが、特に私と同期は、 営業、調査、システムに関するアイディア出しなど「なんでもやる」スタイルですね。

求める新しい仲間像

小宮山
今回、新しく仲間を募集するわけですが、UPSにどんな人が加わってくれたら嬉しいですか?

井上
何より、自律的に動ける人であると非常に嬉しいですね。自分で考えて、仮説を立てて、ちゃんと意見を述べて、議論して、ちゃんと実行できる人。議論だけして終わりじゃなくて、「じゃあ自分がやります!」って動ける人が理想です。

もちろん、まだチームとしても未熟なところもあるので、 「ここ、こうしたらもっと良くなるんじゃない?」っていう視点を持って、どんどん提案してくれる人にジョインしてもらえたら、すごく心強いなと思っています。

小宮山
今回、新しく加わるメンバーには、どんな風にチームやプロダクトに関わってもらいたいですか?

井上
まず、技術面で一緒にプロダクトをしっかり支えていってほしいという想いがあります。特に、今後サービスをスケールさせていくためには、フルスタックでの開発力や、安定運用のための仕組みづくりがすごく重要になってくるので。

あとは、さきほどもお話しましたが「こうすればもっとよくなるんじゃないか?」っていう視点を持って、 積極的に提案して、動いていただきたいです。
今、UPSはまだ小さいですが、小さいからこそ、自分が動いた分だけプロダクトもチームも確実に変わっていく。その実感を日々味わえる環境だと思っています。

今後の展望と、未来の仲間へのメッセージ

小宮山
今後、TradeOCRやUPSとしては、どんな未来を目指しているのでしょうか?

井上
まずは直近の目標として、リリースを成功させることですね。

正式リリースして、お客様の業務効率化に貢献できるプロダクトに育てたい。
トライアルでお使いいただいている企業からも、「入力作業がすごくラクになる」など、ポジティブなフィードバックをもらえるようになってきたので、この流れをしっかり形にしていきたいです。

その先では、ただ書類の入力作業を効率化するだけじゃなくて、輸出入者が海外法令違反などで失敗しない世界を作りたいと思っています。
もっと現場のデータを集めて、より精度を高めて、 いずれは「海外法令情報の管理支援」までできるようにしたい。そうなれば、貿易業界全体のリスクを減らす、本当に社会的に価値のあるサービスになるはずだと思っています。

小宮山
最後に、未来の仲間に向けて、メッセージをお願いします。

井上
はい。今のUPSは、まだ整ってない部分も多いです。正直、泥臭い作業もありますし、走りながら考えているところもたくさんあります。でも、ゼロから一緒にプロダクトを作り上げていく面白さは、絶対にあります。

自分で考えて、自分で動いて、その結果がプロダクトに反映されて、お客様に喜ばれる。
その積み重ねが少しずつ業界の当たり前を変え、最終的に社会を今より少しでも良くすることに繋がる。そんなダイレクトな手応えを、UPSでは味わえます。

繰り返しになってしまいますが、「ただ与えられた仕事をこなすんじゃなくて、自分で未来を切り開きたい」そう思っている人には絶対に面白い環境だと思うので、少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひ一度、カジュアルにお話しましょう。そして、一緒にまだ誰も見たことのない未来をつくりましょう。

小宮山
今後が楽しみです!ありがとうございました!

あとがき

今回のインタビューを通して、特に強く感じたことは、UPSがただ業務効率化やテクノロジー推進を目指しているわけではなく、現場で働く人たちが抱える課題に、真正面から向き合い、「ユーザーファースト」に徹底的にこだわっているというひたむきさでした。

少しずつ未来を変えていく、UPSとTradeOCRの挑戦はまだ始まったばかりです。だからこそ、想いに共感する新しい仲間の力が必要だということも強く伝わってきました。
この記事を通じて、井上さんやUPSの想いに共感していただけたら、まずは一度、カジュアルにお話ししてみませんか?

あなたの一歩が、UPSの未来を、そして貿易業界の未来を動かすかもしれません。あなたとお話できる日を、心から楽しみにしています。

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