2025/09/24
インフラエンジニアのホントのところ #20|元パティシエ&元デザイナーが、「大ヒット商品の開発者」になるまで
ITインフラって、「なんだか難しそう」「地味で大変そう」と思われがち。
でも実は、社会を支える根幹にある、とてもやりがいのある仕事なんです。
そんなリアルをお届けするPodcast 「インフラエンジニアのホントのところ」。
MCにはベンチャー女優の寺田有希さんを迎え、当社の副社長 永江耕治と採用責任者 小山清和が、現場・経営・採用の視点から語ります。
今回のテーマは「元パティシエ&元デザイナーが、「大ヒット商品の開発者」になるまで」。
出荷数40万個超え!大ヒットカプセルトイを仕掛けた敏腕広報二人は、「元パティシエ」「元デザイナー」だった!?
異色のキャリアをどう築き上げてきたのか?それを支える現場と会社のリアルは?徹底的にお話を伺いました!
<目次>
1.オープニング
2.大ヒット商品「手のひらネットワーク機器」とは?
3.異色のキャリアを持つ2人の開発者
4.元エンジニアと元デザイナー、なぜ広報へ?
5.異色のキャリアチェンジを実現できた理由
6.多様なキャリアを受け入れるAPCのカルチャー
7.今のキャリアを選んで良かったこと
8. クロージング
1.オープニング
寺田:言葉は有名でも、何かと知らないことが多いインフラエンジニアの世界。キャリアや将来性、魅力など、ついつい隠れがちな「本当のところ」を、業界のプロと共にインフラエンジニアのキャリアを徹底解剖していきます。
小山: エーピーコミュニケーションズの小山です。私は10年以上のIT業界での採用経験と7回の転職を通じてキャリアを形成してきた人事です。当社では採用責任者をしています。よろしくお願いします。
寺田: そして、MCを務めます、ベンチャー女優の寺田有希です。この番組は元エンジニアで現役経営者の永江さんと採用責任者の小山さん、現場を知り尽くしたエーピーコミュニケーションズのお2人と共に、インフラエンジニアのキャリアを徹底解剖していくポッドキャストです。
さて、前回は永江さんお1人でしたが、本日は小山さんと共にお届けします。よろしくお願いします。
小山:しばらく出演できなくて寂しかったです。また戻ってこられてよかったです。もう二度と出番がないのかと思っていました。
寺田:とんでもない、そんなことありません。
小山:よかったです、よかったです。
寺田:さて、今回も前回に引き続きゲスト回です。
小山:そうですね。やはり新鮮な感じがします。違う視点の方が加わると、こんなにも内容が変わるものなのだなと実感しました。
2. 大ヒット商品「手のひらネットワーク機器」とは?
寺田:本当にそうですよね。ということで、今回も前回に引き続き、エーピーコミュニケーションズさんが監修されている大人気カプセルトイシリーズ「手のひらネットワーク機器」、こちらを開発したお2人にお越しいただきます。
前回に続き改めてご説明したいと思うのですが、エーピーコミュニケーションズさんはSIerでありながら、このカプセルトイをプロデュースされているんですよね。
小山:そうなんですよ。インフラが好きすぎるあまり、ついに商品化してしまった、という(笑)。
先日、丸ビルで「ガチャガチャ展」が開催されていたのですが、そこにこの商品が飾ってありました。開発エピソードとして、「こんなにすごい反響があるとは思わなかった」というメーカーさんのコメントも添えられていて、改めてこの反響の大きさを感じましたね。「好き」という気持ちの力と、「何でもやってみるものだな」ということを実感した瞬間で、とても嬉しかったです。
カプセルに入っている説明書にも、エーピーコミュニケーションズの名前と開発背景が書かれていましたね。今日お2人のお話を改めて伺えるのが楽しみですが、本当にすごいことを成し遂げられたのだなと感じます。
寺田:そうなんですよね。このカプセルトイがきっかけで採用に繋がったり、海を越えて韓国の方から応募があったり、さらには学生向けの教材にもなったりと、すごい広がりを見せているんですよね。
小山:面接の時に「ちょっと待ってください」と言って、これを取り出して「持ってます!」と見せてくれる方もいます。あと、オンライン面接の背景に飾ってくださっていて、「今日のために飾りました」とおっしゃる方もいました。
当社の事業モデル上、「製品を持ってます」と言われることはないので、これは本当に驚きですし、採用面でもすごくプラスになっていると感じます。
3. 異色のキャリアを持つ2人の開発者
寺田:そんな異色の商品を開発されたエーピーコミュニケーションズさんですが、前回は開発の裏側や、なぜエーピーコミュニケーションズがこれを実現できたのか、というお話を中心に伺いました。
今回は、開発者2人の「キャリア」にフォーカスしたいと思います。こちらも非常にユニークなキャリアをお持ちだということで、その真実と裏側を、本日は徹底解剖していきます。
本日のテーマは「元エンジニアと元デザイナーが、大ヒット商品の開発者になるまで」です。出荷数40万個、大人気のカプセルトイ「手のひらネットワーク機器」シリーズ。SIerがカプセルトイを作るという大胆な戦略を打ち立てた開発者のお2人は、一体どんなキャリアを歩んでこられたのでしょうか。そのリアルをお聞きしていきます。
それではゲストをご紹介します。エーピーコミュニケーションズ広報グループマネージャーの小林さん、そして同じく広報グループの小松さんです。
前回に引き続き、お2人ともよろしくお願いします。まず、現在どのようなお仕事をされているのか、簡単にご説明いただけますか?
小林:マネージャーという立場ですが、プレイヤーとしても動いています。広報の業務には文章を書く仕事とデザインの仕事がありますが、私は今もデザイン業務をバリバリこなしながら、マネジメントも行っている、という感じです。
小松:今日はキャリアがテーマなので、少し詳しくお話ししますと、小林が「絵を描く人」、私が「字を書く人」という形で分担しています。
広報の業務は大きく「事業広報」と「採用広報」に分かれるのですが、私は主に採用広報を担当しています。また、ダイバーシティを推進する「D&I推進室」と、働きがいを高める「ウェルビーイング室」も兼務しており、その文脈での広報活動も行っています。
寺田:広報と言っても、業務は多岐にわたるのですね。
ではここから、お2人の気になるキャリアについて伺います。まず小林さんは、これまでどのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか?
小林:私はあまり綺麗なキャリアではなくて…。今もデザインをやっているので、「デザイナーから広報へ」と聞くとスムーズに見えるかもしれませんが、最初のキャリアはフリーランスのデザイナーだったんです。
大学には行かず、高校卒業後アルバイトをして貯めたお金を持って秋葉原に行って、「パソコンください」とMacを買ったのが始まりです。そこからデザインのようなことをやっていたら、いつの間にか仕事になっていました。
寺田:すごい。そこからご自身でキャリアを積んでいかれたのですね。
小林:本当に昔の話なので、まだパソコンでデザインができる人が少なかった時代なんです。当時は印刷屋さんか、きちんとしたデザイン事務所に頼むのが主流でした。
パソコンさえあれば、それらしく作れれば仕事になりやすかった、という時代背景もありました。
寺田:そこから、ご自身で始められて?
小林:はい。それが起点となり、その後は様々な場所で経験を積みました。まず、総合的なIT研修を行う会社で、WebデザインやITインフラの資格対策講座の講師、教材制作、試験監督などをしていました。その後、同じ会社内で総務部に所属し、情シスを兼務しながら資産管理を担当することになり、毎週末2トントラックで宇都宮の倉庫まで行く、ということもしていましたね。最終的にはWebディレクターとして、少しデザイン寄りの仕事に戻ってきました。
ディレクター時代、隣の部署にアプリ開発のエンジニアがたくさんいました。彼らの仕事ぶりがすごく面白くて、もともとエンジニアに憧れて少しコードを書いたりもしていたので、「エンジニアってかっこいいな」と。そこから初めての転職で、Webアプリの開発会社に入りました。
そこでエンジニアと楽しく仕事をしていたのですが、今度はそこで出会ったインフラエンジニアを見て、「もっとすごいじゃないか」と思うようになりまして。それでインフラエンジニアの会社に行こう、と決意しました。そこで今までのデザインスキルを活かせそうだということで広報になった、という流れです。
寺田:お話を伺って、小林さんが非常に多彩で、色々なことができる方なのだということが伝わってきました。
小林:いえいえ、色々できるからやっていた、というよりは、会社の体制が大きく変わった影響が大きいんです。
会社が買収されるという経験を2回ほどしまして、所属していた組織が丸ごとなくなったり、組織整理のために長くいるからという理由で総務で資産管理を任されたり…。本当に、流れに身を任せていたらこうなっていた、という感じです。
寺田:まさにサバイブされてきたのですね。
小林:でも、僕はどこに行っても楽しく仕事をするタイプなので、どの部署でも楽しくやっていました。
寺田:素晴らしいですね。では次に、小松さんにお伺いします。これまではどのようなキャリアを?
小松:今回のテーマが「エンジニアとデザイナーが…」なので、エンジニアというのは私のことを指していると思うのですが、実は私のキャリアの始まりはパティシエでした。
寺田:これには本当に驚きました!
小松:高校卒業後に製菓学校に通い、東京で5年ほどパティシエとして働いていました。
寺田:結構長く続けられていたのですね。
小松:はい。そこから、ひょんなことからネットワークエンジニアになりたいと思い立ち、休日にスクールに通って資格を取得し、約20年前にAPCにエンジニアとして入社しました。それがAPCでのキャリアの始まりです。
寺田:いわゆる、未経験採用でインフラエンジニアになられたのですね。
小松:そうです。当時の役員の方が「パティシエからの転職」という経歴を面白がってくれて、「面白いから採用しちゃえば?」というノリで(笑)。
晴れてエンジニアになったのですが、残念ながらあまり技術力が伸びず……。先々のキャリアに悩んでいたところ、メンバーのサポートや、お客様とのやり取りなどを評価していただき、マネージャーやGMを経験させてもらいました。
その後、当時は専任の広報担当がいなかったため、会社を大きくしていくにあたって専任者が必要だという判断があったらしく、なぜか私に白羽の矢が立ち、広報担当になった、というのがここまでのキャリアです。
寺田:この番組では度々、「技術力だけでなくコミュニケーション能力なども伸ばすことで、インフラエンジニアとしてのキャリアも広がる」という話が出てきますが、小松さんはまさにその体現者ですね。
小松:技術力が伸び悩んでいた私にとって、対人スキルに価値を見出し、抜擢してもらえたのは、個人の強みを伸ばそうという当社のカルチャーがあったからこそだと思います。
寺田:一人ひとりの才能に向き合ってくれる、と。
小松:はい、ありがたいですね。
寺田:「エンジニアとしてダメ」というレッテルを貼られていたら、どうにもできないですもんね。
小松:そうですね。いいところを見て一緒に伸ばしていくっていう感じですかね。
4. 元エンジニアと元デザイナー、なぜ広報へ?
寺田:小林さんは、感覚的には「広報に行き着いた」という感じでしょうか?
小林:そうですね。エンジニアへの憧れはありましたが、いざ手を動かしてみるとうまくいかず、中途半端にデザインで食べていけてしまった分、キャリアを変えられなかったんです。そんな中で、憧れていたエンジニアと一緒に仕事ができて、なおかつ彼らの力になれる場所はどこかと考えた時に、それが広報でした。
寺田:小林さんにとって、インフラエンジニアの魅力はどこにあるのですか?
小林:開発は、やろうと思えば自分でも少しは動かせるんです。でもインフラを勉強してみたら、「これは僕には無理だ…」と難しさを痛感しました。
寺田:専門性が高いってことですか?
小林:そうですね。手で動かしてすぐに形になるものでもない。本当に頭のいい人たちがやっている仕事だなと思い、それ以来、インフラエンジニアをめちゃくちゃリスペクトしています。
寺田:小松さんは、その難しさについてどう感じますか?
小松:今はクラウドがあるので少し身近になりましたが、私が目指した頃は、物理的なネットワーク機器がないと構成を試すこともできず、その難しさはありました。なので、私はスクールに通ったというのがあります。
ただ私の場合、ネットワークの方が物理的なイメージが湧きやすかったので、プログラミングよりは理解しやすかったですね。その点は小林さんと真逆で、面白いなと思いました。
寺田:その感覚が逆になるのですね。小林さんは、自分のできることでインフラエンジニアを支えようと。
小林:はい、それが広報という選択でした。
寺田:小松さんはいかがでしょう?
小松:私の場合は「白羽の矢が立った」という形だったので、自ら選んだ道ではありません。ただ、めったにない機会をいただいたと思い、「挑戦してみよう」とお受けしました。APCでの経歴の長さや、エンジニアや管理職としての経験が、きっと何かの役には立つだろうというのもありましたね。
当時、広報がどんな仕事かもよくわからないまま始めたというところもあったのですが、あまり私にはない感覚なんですけど、挑戦してみようっていう感じでした。
寺田:あまりない感覚なのですか?パティシエからインフラエンジニアへの転身も、相当な挑戦だと思います。
小松:確かに言われてみればそうですね(笑)。あまり挑戦や変化は好きではないのですが、振り返ってみると、ちょいちょいやっていますね。
寺田:「目の前のチャンスを掴む力」をお持ちなのですね。
小松:誰しもがもらえる機会ではないと思ったので、やってみました。
寺田:それでチャンスを掴んで、キャリアを切り拓かれてきたわけですね。
小松:その結果、カプセルトイのような面白い企画にも携われたので、良い選択だったのかなと思います。
5. 異色のキャリアチェンジを実現できた理由
寺田:お2人にどうしてもお聞きしたいなと思っていたのが、異色のキャリアチェンジを実現できた理由です。小林さんは、何だと思いますか?
小林:自分から積極的に場所を変えた時は、いつも「この人たち、かっこいいな」という憧れが起点になっている気がします。
フリーランスから会社員になったのも「社会人ってかっこいいな」と。開発会社に行った時も、隣の島にいた「エンジニアがかっこよかったから」。そしてAPCに来たのも「インフラエンジニアがかっこいいと思ったから」。その「かっこいい人たち」のために、自分は何ができるだろう、と考える。その発想が元になっているのかもしれません。
寺田:転職はじめ、何か新しいことを始める時に「やりたいことは何か?」と問われがちですが、それを見つけるのはすごく難しいですよね。だからそれを動機の原点にしてしまうと踏み出せない人が結構いるのではないか、と個人的には思うんです。
小林さんのおっしゃる「かっこいい」という憧れで進むのは、すごく良いなと思いました。
小林:そうですね。私はもともと、自分の作品を主張するアーティスト気質ではなく、誰かを成功させるためにデザインをする「裏方気質」なんです。自分が主役になるより、誰かをどう支援できるかを考える。だから、「この人、かっこいいな」と思ったら、その人を支援できる場所を探す、という考え方になるのだと思います。
寺田:ご自身のパーソナリティを理解されていたことも、キャリアを後押しした大きなポイントだと思いますが、その自己理解はどのように深めていかれましたか?
小林:私の場合は、デザインの仕事の一環で絵を描いていたことが大きいですね。「絵を描く=アーティスト」というような、自分の個性をいかに発揮するかを追求するアーティスト気質の方々が周りにいたのですが、どうも自分はそこに共感しきれなくて。「自分がやっていて楽しいのは、そっちじゃないかもしれない」と、若い頃に感じたんです。その時に、「自分はアーティストではなく、デザイナーなのだ」と、なんとなく自分の中で腑に落ちた、という感じですね。
寺田:大事なことですね。まず自分のパーソナリティに気づき、それを認めてあげることが、キャリアのスタートになるのかもしれません。
小松さんはいかがでしょう?この異色のキャリアチェンジを実現できた理由は何だと思いますか?
小松:若気の至りではありましたが、パティシエからエンジニアへのキャリアチェンジは自ら掴みに行ったもので、その後の管理職や広報への異動は、会社から与えられたチャンスでした。異色なキャリアチェンジをするぞと思ったのは、本当に最初の頃だけなので、理由は何か?と問われると、会社側の要因が大きかったのかなと思います。
技術が伸び悩んだエンジニアに、対人スキルを評価してチャンスを与えてくれたり、未経験の広報の仕事を任せてくれたり。そうしたチャレンジをさせてくれる会社だったからこそ、私は今ここにいるのだと思います。
当時はまだ会社の規模も小さかったので、「今いる人材で何とかせねば」という方針もあり、エンジニアから採用や広報といったコーポレート部門への異動という選択肢があったのでしょう。そのタイミングに自分が居合わせたからこそ、今のキャリアがあるのだと感じています。
現在のAPCは規模が大きくなってきたので、コーポレート部門においても、それぞれの分野でのプロフェッショナルが求められる時期に来ていると感じます。そのため、「少しやってみたい」という気持ちだけでコーポレート部門へ異動するのは、以前より難しくなっているかもしれません。
ただ、エンジニアの知識や経験がコーポレート部門で活かせるというケースも当然あると思います。会社のフェーズやタイミングさえ合えば、エンジニアの知識や経験を活かしたキャリアチェンジも可能なのではないでしょうか。
寺田:ご自身の「こうありたい」という願望に固執せず、会社の助言を信じられた小松さんも素晴らしいと感じました。その過程では苦しさもあったと思うんです。
小松:そうですね。キャリアに行き詰まりを感じることは度々ありましたが、その度に新しい道を提案してくれた上司や会社には非常に感謝しています。それは妥協ではなく、私を「信じてくれた」からこその提案だったのではないか、と思っています。
6. 多様なキャリアを受け入れるAPCのカルチャー
寺田:小山さん、お2人のようにユニークなキャリアを歩んでこられた方は、エーピーコミュニケーションズには他にもいらっしゃいますか?
小山:はい、比較的多くいると思います。特に私たちの世代は、まだIT業界で働くことが一般的ではなかった時代なので、異業種から来た人も珍しくありません。
また、当社は採用選考の際に、転職回数や出身業界といったバイアスをかけず、まずはお会いして判断するというカルチャーが根付いています。だからこそ多様な人材が集まるのだと思いますし、転職7回の私も受け入れてもらえました(笑)。
お2人のお話を聞いていて、以前、永江が紹介していた「計画的偶発性理論」を思い出しました。キャリアの8割は偶然によって決まるという理論で、5つの項目があるのですが、お2人に共通しているのは、「立ち止まらずに行動し続ける」点。意志をもって、変化の流れに身を任せてきた点ですよね。その結果が、今のキャリアに繋がっているのだと感じました。
そして、そうした機会提供があったのも、やはり一人ひとりに対する会社の考え方があるからこそですよね。小松さんのケースもそうですし、小林さんの提案を会社として許容し、チャレンジしてもらうという姿勢も、同じカルチャーから来ているのだと感じました。
寺田:やはり、一番はエーピーコミュニケーションズの懐の深さを感じます。
小山:そう言っていただけると、本当にありがたいです。時代と共に変わる部分はあっても、この「人を見る」という大切な部分は、ずっと続けていきたいですね。
寺田:採用でも、その方のパーソナリティを重視されているのですか?
小山:はい。まず会ってみて、その人の可能性を探ろう、という姿勢はどの面接官も持っていると思います。
寺田:では、キャリアを考える上で私たちができることとしては、まずご自身のパーソナリティを理解しておくことでしょうか。
小山:そうですね。自己理解は非常に大事だと思います。その上で、自分の意思をきちんと表明すること、そして「テイク」だけでなく「ギブ」し続けること。組織に貢献し続けるからこそ、見ている人がいて、チャンスが生まれるのだと思います。
寺田:あとは、自分の意見に固執しすぎず、一度受け入れてみる姿勢も大切ですね。
小山:はい、その通りだと思います。もちろん時と場合によりますが、何事もまずは一度、受け止めてみるという姿勢が大事なのかもしれません。
7. 今のキャリアを選んで良かったこと
寺田:最後に、お2人が今のキャリアを進んでいて「良かったな」と思うことは何ですか?
小林:単純ですが、自分が「かっこいい」と思っているインフラエンジニアと、対等に話しながら仕事が進められることです。彼らは様々な知識を持っていて、日々新しいことを吸収できるこの立場は、とても恵まれているなと感じます。
寺田:その結果、カプセルトイが生まれ、インフラエンジニアの面白さを業界の外にも発信できるきっかけになったわけですもんね。
小林:はい。イベントなどで、技術の話はできなくても、カプセルトイの話で技術のすごい人たちと盛り上がれる。それは、すごく嬉しいですね。
寺田:そういう関わり方があるというのもいいですね!小松さんはいかがでしょう。
小松:私は個人的に、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という三者が満足する状態を目指す「三方良し」という考え方が好きなんです。
カプセルトイの企画も、APCだけが良ければいい、というものではなく、業界全体を盛り上げていこう、という考え方が根底にありました。そうした「三方良し」の考えのもとで広報という仕事ができるのは、私にとって本当に幸せなことだと、改めて感じています。
寺田:では最後に、キャリアに悩んでいる方々へアドバイスをお願いします。
小林:私からは「楽しく仕事していたら、良いことがあるよ」と伝えたいです。どこにいても、楽しく仕事をしている人の周りには、もっと楽しい機会が集まってくると思います。
寺田:確かに、そういう人と、周りも一緒に仕事をしたくなるはずです。きっと、選ばれる人になりますよね。小松さんはいかがでしょう。
小松:私自身もそうなのですが、悩むとどうしても内にこもりがちになってしまいます。そういう時こそ、色々な人の話を聞いたり、新しい場所に飛び込んでみたり、アクティブに動くことが現状を打開するきっかけになるはずです。悶々と悩むのではなく、「悩んだら、動いてみる、話してみる、経験してみる」ということが、すごく大事ではないでしょうか。
寺田:ありがとうございました。
大人気のカプセルトイ「手のひらネットワーク機器」シリーズ、その開発の裏側については前編で語っていただいておりますので、ぜひそちらも合わせてお聞きください。
インフラエンジニアのホントのところ #19|SIer企業がなぜ『カプセルトイ』を作ったのか?〜出荷数40万個!大ヒット商品の裏側〜
8. クロージング
寺田:さて小山さん、今回のゲスト回はいかがでしたか?
小山:すごく良かったですね。私もまだ入社して2年弱ですが、お2人のキャリアや考え方を知ることができ、同じ会社で働く者として非常に有意義でした。やはり第三者の方がいると、自分にはない視点や気づきがあって、短い時間でしたが多くのことを感じました。
寺田:リアルな話は、やはり刺さりますね。
小山:そうですね。人は感情の生き物なので、実際に歩んできた方のリアルな話には、共感できる部分がたくさんあります。
寺田:キャリアというと、つい「綺麗でなければいけない」と思いがちですが、「紆余曲折あってもいいんだな」と思えるのが、すごく大きいと感じました。
小山:そうですよね。世の中に出てくるキャリアの話は、綺麗な成功譚ばかりですから。本当は、失敗談の方がよっぽど大事なんですけどね。
寺田:本当にそう思います!
小山:こういう人の話を聞くことは、今後の自分の生き方を考える上でも、参考になる部分がたくさんあると思います。
寺田:この番組でももっと考えていきましょう。
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