2026/01/30
【インフラエンジニアへの道 キャリア相談Q&A】#11 |辞める前に知っておきたい、適性とタイミング
未経験からITインフラ業界への就職・転職を考えているものの、キャリアアップや年収、働き方など、多くの疑問や不安を抱えているのではないでしょうか?
【インフラエンジニアへの道 キャリア相談Q&A】では、ITインフラ業界のリアルな情報をお届けします。アドバイスするのは、エンジニア歴23年の副社長・永江と、IT業界で10年以上の採用経験を持つ人事責任者・小山です。
今回のテーマは、「会社を辞める前に知っておきたい適性と、後悔しない決断の基準」について。
「自分は向いていないのではないか」「今の会社を辞めるべきか」といった、一歩踏み出す際の迷いにどう向き合うべきか、納得感のある選択をするための考え方をアドバイスします。
永江 耕治(ナガエ コウジ)
取締役副社長
Webエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、2002年にエーピーコミュニケーションズに入社。SIベンダーでプリセールスから設計・構築までを行うプロジェクトにエンジニアとして参画しながらマネジメントも兼務。その後、人事部門に異動。業務と並行して、MBA(2012年卒。中央大学大学院/人的資源管理専攻)を取得。2016年にITインフラ部門へ戻り、部下250名を抱える事業部責任者を務める。2018年に取締役副社長に就任。
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小山 清和 (コヤマ キヨカズ)
コーポレート部門 戦略人事本部 Talent Acquisition部 部長
飲食業界からキャリアをスタートさせ、その後、人材ビジネスに携わり、採用業務経験を積む。2016年10月にグッドパッチに転職し、キャリア採用をメインに、現場と連携した強固な採用体制の構築、採用数の確保、離職率の改善、認知度向上などに向けた施策などを推進。2023年11月にエーピーコミュニケーションズに入社し、2024年1月からTalent Acquisition部の部長として全社の採用戦略を担う。趣味は週6日のランニング。副業ではプロコーチとしても活動中。
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<目次>
?? エンジニアに向いていないのではないかと自信を失っています。
?? 自分の実力を客観的に測るにはどうすればいい?
?? 今の会社を辞めるべきか、踏みとどまるべきか迷っています。
?? 失敗したくない。転職で成功するために必要なことは?
⬛️ エンジニアに向いていないのではないかと自信を失っています。
永江: まずお伝えしたいのは、「あまりにも早く結論を出しすぎていないか」ということです。
ITエンジニアとして一人前になるのは、簡単なことではありません。特に未経験から入った場合、情報工学のバックグラウンドがある人と比べれば、現場への適応に時間がかかるのは当然のこと。焦って「向いていない」と決めつける前に、まずはスタートラインや条件の違いを冷静に見つめてみてください。
その上で、一人の判断で悩み続けず、周囲の意見を仰ぐことをお勧めします。信頼できる先輩や上司、あるいは自分より先のキャリアを歩んでいる人に、「自分は向いていないと思うのですが、どう思いますか?」と率直に聞いてみてください。
実は周囲から「未経験なのによくやっている」と評価されていても、自分への厳しい評価や課題ばかりに目が行き、ネガティブな面に捉われてしまっているケースが非常に多いのです。 客観的な意見を聞くことで、「最初はそんなもんだよ」と励まされたり、逆に具体的な改善点を指摘してもらえたりと、独りよがりな悩みから脱却できるはずです。
⬛️ 自分の実力を客観的に測るには、どうすればいい?
永江: 「社内」という限定された世界だけ、自分を評価しないことが重要です。特に少人数のチームで働いていると、比較対象が限られてしまい、自分の立ち位置が正確に把握できません。
自分の評価尺度を正しく更新するためには、意識的に「社外」の空気に触れる必要があります。IT業界には、無料の勉強会やイベントがたくさんあります。そういった場に参加して、「世の中にはこんなすごいエンジニアがいるんだ」「同世代でこういう活躍をしている人がいるんだ」ということを肌で感じてください。
多くのエンジニアと出会い、情報に触れることで「意外と自分も通用する」という自信や、逆に「今、本当に磨くべきスキル」が、具体的な手応えを伴って見えてくるはずです。自分の判断基準の精度を上げるための「人脈作り」や「環境作り」に時間を使うことは、決して無駄ではありません。焦って結論を出す前に、まずは「自分の物差し」を外の世界で試してみることから始めてみてください。
⬛️ 今の会社を辞めるべきか、踏みとどまるべきか迷っています。
永江: 辞めるべきか、辞めないべきか。一つの目安は、「個人の成長スピード」が「環境の成長スピード」を上回った時です。
自分は意欲的に学び、急角度で成長しているのに、会社の変化が遅かったり、任される仕事のレベルが変わらなかったりする場合、「もっとできるのに」という物足りなさを感じるはずです。完全にコンフォートゾーン(停滞はしているが、居心地は良い状態)に浸かってしまったと感じた時は、より高いレベルの環境へ移るタイミングかもしれません。
小山: 私の視点からは、「自分にまだ努力の余地が残っているなら、辞めない方がいい」とお伝えしたいです。
転職は実績も人間関係もリセットされる「大きな投資」であり、多大なエネルギーを要します。もし今の環境で、異動願いを出す、新しいプロジェクトに手を挙げるなど、やれることが残っているなら、まずはそれをやりきってください。「言っても無駄だ」と諦めず、一度はアクションを起こすべきです。
その上で、万策尽きて「自分ではもうコントロールできない」「チャンスがない」となった時が、環境を変えるべきタイミングです。やるべきことをやりきってから次へ進めば、たとえ新しい環境で壁にぶつかっても「あの時、自分は最善を尽くした」という自負が支えになります。逆に、不満を環境のせいにして離職すると、次の職場でも同じパターンを繰り返し、根本的な課題を解決できないまま早期離職を重ねてしまうリスクがあるからです。
⬛️ 失敗したくない。転職で成功するために必要なことは?
小山: 転職を成功させる最大の鍵は、「自らの意思で決断し、その選択を後から『正解』に変えていく」という覚悟を持つことです。
「この会社でやっていく」と腹を括って入社したのであれば、多少の困難があっても「自分で選んだ道だから、納得いくまでやり抜こう」と踏ん張ることができます。過去の選択そのものを変えることはできませんが、その選択を未来の成功に繋げられるかどうかは、自分次第なのです。
逆に、転職で「ミスパターン」に陥りやすい人の共通点は、「キャリアの決定権を他人に委ねている」点にあります。 「エージェントに勧められたから」「有名企業だから」「給与条件が良いから」といった他人の物差しや条件面だけで会社を選んでしまうと、入社後に壁にぶつかった際、「選ばされた」「騙された」という他責の念が生まれてしまいます。
私は過去に7回の転職を経験し、中には年収ダウンや過酷な環境に身を置いたこともあります。しかし、当時の「失敗」をどう糧にするかを考え抜いたからこそ、今の自分があるのだと確信しています。 どんな環境に置かれても、「この場所でどう価値を出すか」を主体的に思考し続けられる人。それこそが、時代や環境に左右されず、どのような場所でも必要とされるエンジニアの条件ではないでしょうか。
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今回の【インフラエンジニアへの道 キャリア相談Q&A】では、「会社を辞める前に知っておきたい適性と、後悔しない決断の基準」に関する疑問に、お答えしてきました。本記事が、自分自身に合ったキャリアパスを見つけるヒントになれば嬉しいです。
また、皆さんからの質問も随時受け付けています。悩みや疑問、気になることがあれば、ぜひお気軽にお寄せください。引き続き、現役のプロがアドバイスしていきます!
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※この記事は、Podcast『インフラエンジニアのホントのところ』の内容をもとに再構成しています。
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