2026/03/10
約30名の大プロジェクトで信頼を築く“三つの配り”。~信頼されるリーダーのマネジメントTips #5~
エーピーコミュニケーションズには、現場のマネジメントにおいて優れた成果を出し、メンバーからも厚い信頼を得ている管理職が多くいます。
今回紹介するのは、iTOC事業部 CWE部で、APC最大級となる27名のプロジェクトを率いるマネージャーの中島です。元社長秘書やライフセーバーという異色の経歴を持つ彼は、どのように大規模チームをまとめているのでしょうか。
5回目となる「信頼されるリーダーのマネジメントTips」では、中島がマネージャーとして大切にしている「目配り・気配り・心配り」の姿勢や、一人ひとりのメンバーと向き合うための具体的な取り組みについて話を聞きました。
中島 貴行 (ナカジマ タカユキ) iTOC事業部 CWE部 CTISP マネージャー
前職は美容関係の企業で社長秘書として勤務していたが、起業の夢と起業までのキャリアを考え、ITエンジニアへの転身を決意。2017年5月にAPCへ入社。現在は大手Sier企業に常駐し、保守運用プロジェクトのマネージャーとして従事。
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「自分がやった方が早い」からの脱却
――現在担当しているプロジェクトについて教えてください。
中島:私が所属している部署は、主にクライアントワークを中心とした部署であり、プロジェクトも客先常駐型で、お客さまの課題に合わせた技術支援を行っています。その中で現在は、ISPの基幹システムのバックボーンの運用保守を担うプロジェクトで、マネージャーを務めています。 規模は、APC社員13名とパートナー社14名の27名とAPC内でも最大級です。
――約30名!その規模を管理する上で、仕事を「任せる」ことへの葛藤はありませんでしたか?
中島:それは大いにありました。以前は人に任せるのが本当に苦手で、自分で抱え込んでしまうタイプだったんです。気持ち的には「仕事を振ったら嫌われるんじゃないか」「自分だけ楽をしていると思われるのではないか」という恐怖心がありました。また、「自分でやったほうが早い」と思ってしまうことも、正直ありましたね。
――その意識はどのように変わったのですか?
中島:自分一人で抱え込む限界を感じたのもありますが、何より「自分がやってしまったらメンバーが育たない」と気づいたことが大きいです。
そこで「丸投げ」するのではなく、武道の「守破離」を意識した権限譲渡を実践するようにしました。具体的には「まず自分がやって見せ、やり方を教え、それから実際に任せる」というプロセスを徹底したんです。
最初にゴールイメージを共有してから任せるようにしたことで、メンバーは想像以上の成果を出してくれるようになりました。任せることは、育てること。そう腹落ちしてからは、自分が前に出るのではなく、黒子に徹することができるようになりました。
――任せるということは、失敗の責任を負う覚悟も必要ですよね。そうした「信じて待つ」という精神的なタフさはどこから来ているのでしょうか。
中島:確かに、ストレス耐性は強い方かもしれません。その原点は学生時代に打ち込んだ、ライフセービング活動にあります。海上保安庁や消防の方たちと一緒に訓練を行いながら海水浴シーズンは毎日海水浴場で監視業務を行うような厳しい体育会系の環境でしたし、常に自然の猛威と隣り合わせで、一瞬の判断ミスが命に関わる世界です。そこで徹底的に心身ともに鍛えられたおかげで、ビジネスの現場で起こるトラブルに対しても動じない心が養われました。
ライフセービングという「命に関わる現場」での経験があるからこそ、ビジネス上のトラブルに直面しても、過度に動揺することなく「まずは冷静に状況を把握して対処しよう」と腹を括ることができるんだと思います。
「最後は私が責任を取るから大丈夫だよ」というスタンスでどっしり構えていることで、メンバーが安心してチャレンジできる環境を作っていきたいと考えています。
孤独にさせないための“三つの配り”
――中島さんがマネジメントにおいて、大事にしている考え方について教えてください。
中島:前職時代、お世話になった経営者の方から教わり、今でも大切にしているのが「目配り・気配り・心配り」という言葉です。
まず「目配り」は、会議などで全体を俯瞰することです。発言が少なくて置いてけぼりになっているメンバーがいれば、「〇〇さんはどう思いますか?」とあえて話を振り、会話の輪に入れるようにしています。
次に「気配り」。これは主にお客様に対してですが、相手が何を求めているのかを先回りして考え、ニーズを汲み取ることです。
そして最後が「心配り」です。メンバーを一人の人間として尊重し、誕生日や勤続の節目に「おめでとう」「ありがとう」と声をかける。些細なことですが、自分に関心を向けられていると感じることで、人は安心するものです。
――業務連絡に留まらない、血の通った関わりを重視されているのですね。
中島:そうですね。また、APC社員全員と毎月1時間の1on1も実施しています。一対一の対話だけは絶対に削れません。
進め方で気をつけていることは、私が質問をして、メンバーに話してもらう時間を多く取るようにしていることです。20代から50代まで年齢層も幅広いですし、一人ひとりの言葉に耳を傾ける時間を確保することで、本音で対話できる関係性作りを大切にしていますね。
また、出社しているメンバーとは積極的に「立ち話」や「ランチ」もします。会議室での改まった話だけでなく、何気ない雑談から拾える情報は意外と多いんですよね。
あえて隙を見せることで生まれた「本音の対話」
―― 今お話しいただいた「人への向き合い方」は、着任当初から確立されていたのでしょうか。それとも、何か壁にぶつかった経験があったのですか?
中島:実は、メンバーとの距離感に悩んでいた時期がありました。以前から同じプロジェクトに所属していたので、業務のキャッチアップには苦労しませんでしたが、いざ「管理職」という立場になると景色が全く違ったんです。
私は普段からスーツを着て髪もセットしているタイプなのですが、良かれと思って整えていたそのスタイルが、逆にメンバーには隙が無いように見えて遠ざけてしまっていたようで……。「近寄りがたい」「かしこまってしまう」という印象を与え、なかなか本音を話してもらえない時期がありました。
――確かにリーダーが完璧すぎると、メンバーはかえってSOSを出しにくくなることもありますよね。
中島:それに気づいてからは、意識的に「隙」を作るようにしました。さすがに寝癖をつけていくわけにはいきませんが(笑)、服装をカジュアルにしてみたり、自分の失敗談を話して自己開示を増やしたり。そうやって「堅苦しい上司」であることをやめたんです。肩の力を抜くようにしてから、メンバーからも徐々に声をかけてもらえるようになり、距離が縮まっていきました。
――そこまで「人」に関心を寄せ、温かいチームづくりにこだわる理由はどこにあるのでしょうか。
中島:以前、私が所属していたプロジェクトがとても和気あいあいとしていて、互いにお祝いし合う文化があったんです。その時の居心地の良さが、「またあの環境を作りたい」という原動力になっているのだと思います。
チーム運営においては、メンバーを単なる組織のコマとして見るのではなく、「個人の集合体」として捉えたい。一人ひとりの人格を尊重することで信頼関係が生まれ、結果としてチームのパフォーマンスも上がると信じています。
仲間を幸せにすること。その先に描く起業への想い
――これからのビジョンについて、どのような組織を作っていきたいですか。
中島:大きく二つあります。一つは、「メンバーが主体性を持ち、自分たちで考えて動けるチーム」にすること。言われたことだけをやるのではなく、自分なりの工夫や提案を楽しみながら働ける環境にしていきたいですね。
もう一つは、「メンバーの給料を毎年上げられる組織」にすることです。前提としてメンバー自身が成長や変化し続ける必要はありますが、マネージャーである私が、お客様への提案や調整を通じて現場の価値を高め、それを給与としてメンバーに毎年還元していきたいです。お客様、会社、そしてメンバーの三者が「三方よし」になれる循環を、責任を持って作っていきたいと考えています。
――中島さんご自身の将来の夢についても教えてください。
中島:実は、いつか起業したいという夢があります。自分の力で稼ぎ、誰かの役に立つビジネスを作るための力をつけるために、私は市場成長とスピードが速いIT業界へ飛び込みました。ITインフラ分野での起業を目指しているわけではありませんが、今のマネジメントの経験も、すべてはその未来に繋がっていると信じています。
まずは、約30名の仲間一人ひとりと向き合い、このチームで最高の結果を出すこと。その挑戦の積み重ねが、自分自身の夢を叶える力になると思っています。
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