2026/07/31
心地よい環境は自分たちの手で。技術にも、組織にも向き合う【人事・小山が迫る、APC社員のキャリア戦略 Vol.3】
理想の働き方やカルチャーは、会社から与えられるものではなく、自分たちで育てるもの——。
今回ご紹介するのは、エーピーコミュニケーションズ(以下、APC)で最前線のAI駆動開発に挑むエンジニアの竹江さん。彼女は現場での技術検証を推進する一方で、フルリモート環境をより良くするための事業部内活動「文化醸成チーム」にも自ら手を挙げて参画しています。
会社に求めるだけではなく、自ら「良くしていこう」と動く側に立てる、その想いとは。人事責任者・小山との対談を通してじっくり聞きました。
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竹江 紘世(たけえ ひろよ) ACS事業部 SAT室 AI App推進 小山 清和(こやま きよかず) コーポレート部門 戦略人事本部 Talent Acquisition部 部長 |
人・事業・評価。APCに入社を決めた3つの理由
小山:竹江さんは2024年7月に入社されて、ちょうど2年が経ちましたね。まずは、これまでのキャリアについて簡単に教えてください。
竹江:最初は東京でインフラエンジニアとして、行政システムや銀行の社内システム(仮想デスクトップ環境) 構築など大規模案件に携わっていました。その後、大学事務に携わった際、VBAでのツール作成をきっかけに「つくる楽しさ」に目覚め、開発エンジニアへの転向を決意したんです。当時から実家に近い福岡への移住を希望していたこともあり、福岡のIT企業へ転職して開発エンジニアとしてのキャリアを再スタートさせました。

▲ APCに入社して2年。これまでの歩みを振り返るエンジニアの竹江(左)と人事の小山(右)
小山:なるほど。そこからさらにステップを重ねて、APCへと転職を考えたのはどのような理由だったのでしょうか。
竹江:開発エンジニアとしての経験を積む中で、さらに2つの挑戦をしたいと望むようになったからです。1つは、よりモダンな技術に積極的に触れ、エンジニアとして常に新しい挑戦ができる環境に身を置くこと。もう1つは、明確な評価基準やフィードバックを通じて、自分の成長や成果に納得感を持って、長期的なキャリアを描いていきたいということでした。
小山:新しい技術への挑戦心と、自らの成長を後押ししてくれるクリアな評価制度。これらはエンジニアが長期的に安心して走り続けるために、欠かせない要素ですよね。最終的に、APCへの入社を決めたポイントとも関係していますか?
竹江:まさにです。私が求めていた「人」「事業」「評価」という3つの軸のバランスが良く、納得感を持って働けそうだと感じたことが決め手になりました。
まず「人」については、面接を通じた温かい対話が印象的でした。一次面接の技術課題で、私の回答が用意されていた解答と違っていても「それも考え方のひとつですね」と私の思考プロセスをフラットに評価してくれたこと。そして二次面接で過去の苦労話をした際にも「それは本当に大変でしたね」と深く寄り添ってくれたこと。そうした対話を通じて、会社として一人ひとりに丁寧に向き合う姿勢を肌で感じました。
次に「事業」です。APCは、お客様のDX内製化に寄り添い、技術を手段として本質的な課題解決を目指すビジネスを行っています。私自身、前職でアナログな業務に触れる機会が多く、「もっとデジタル化が進めばいいのに」ともどかしさを感じていました。その体験があったので、現場に寄り添ってDXを推進するAPCの姿勢を知ったときは「求めていた価値だ」と強く惹かれたんです。
そして最後に、プロセスが明確で年4回のフィードバックがある「評価制度」です。これらのうち一部を満たす会社は他にあっても、3つのバランスがすべて整っていて、納得して仕事に取り組めると感じられたのはAPCだけでした。ここなら、エンジニアとしても着実に経験を積み、長く安心して走っていけると思えたのが、最終的な判断の理由です。
「AI駆動開発」の学びを、組織全体のナレッジへ
小山:現在、プロジェクト現場ではどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。
竹江:お客様のWebアプリケーション開発におけるDX内製化支援プロジェクトに携わっています。直近ではGitHub Copilotを活用した「AI駆動開発」を推進しており、AIへの指示を最適化するルール整備や、コードを自動検証するカスタムエージェントの構築などを主導してきました。
小山:最先端のチャレンジですね。実際に現場で導入を進めてみて、どのような課題がありましたか。
竹江:AIの活用によってスピードは爆発的に上がりました。一方で「大量に生成されたコードの品質を、最終的に人間がどう効率よく担保するか」という、AI開発ならではの新しい壁にぶつかったんです。だからこそ、先ほどお話しした「コードを自動検証するカスタムエージェント」が必要になりました。
小山:なるほど。単にツールを導入して終わりではなく、そうした「現場のリアルな壁」に直面し、自らプロセス改善の仕組みまで作れていること自体が、非常に価値のあることですね。
竹江:本当にそう思います。単に「ツールを導入して便利になった」で終わらせるのではなく、そこから「人間とAIの最適な境界線はどこか」「開発プロセスをどう改善していくべきか」を模索することこそが、本当の学びになっています。
現在は、この試行錯誤のプロセスをドキュメントにまとめ、事業部全体のナレッジとして還元する準備を進めています。現場の実体験から得た失敗や教訓を共有することで、少しでも組織全体のステップアップに貢献できれば嬉しいです。
居心地の良さを「APCの日常」へ。文化醸成への挑戦

小山:実際に入社されてみて、ギャップや戸惑いはありましたか。
竹江:正直、最初は周囲の技術レベルの高さや熱量に圧倒されて、ものすごく焦りました。「未経験上がりの自分がやっていけるのだろうか」とプレッシャーもあったんです。
ですが、ミーティングでは常に温かく迎えてくれ、私のどんな発言も決して否定せずに受け止めてもらえました。本当の心理的安全性を実感できたからこそ、周りと比べず安心して前を向けるようになったと思っています。
小山:その安心感が大きな土台になったのですね。一方で、APCを選んだ理由の一つでもある「評価制度」についてはどのように感じていますか?
竹江:非常にクリアで納得感が高いです。年功序列のような曖昧さではなく、自分の行動や成果が正当に評価へ直結している実感があります。主体的にアピールして申請していく仕組みなので良い緊張感もありますが、こうした「心理的安全性の高さ」と「フェアな評価基準」があるからこそ、前向きに次の挑戦へ目を向けられるようになりました。
小山:そうした前向きな気持ちは、何か具体的な取り組みにつながったりもしたのでしょうか?
竹江:はい、その一つが、事業部内の「文化醸成」に向けた取り組みです。ACS事業部では、「エンジニアが継続的かつ圧倒的に学ぶ文化」を組織のありたい姿として定義していて、そこに至るための取組として「リモートワーク推進」と「エンゲージメント活用」を進めています。
私自身、リモートの環境でとても心地よく働けていたので、今年1月にこの施策が発表されたときも、素直に「良い取り組みだな」と感じていたんです。
けれど、主体となって進めている担当者の方が通常業務と兼任されていて、かなり負担が大きいことも見えてきて。「せっかくの素晴らしい施策を忙しさで立ち消えにさせたくない、自分も力になりたい」と思い、手を挙げました。
小山:ご自身が実感した働く環境の良さを、今度は次の人たちにもつなげていこうと動いたんですね。実際の活動はいかがですか。
竹江:現在は、全社で導入している「Wevox」という組織の状態を可視化するツールをもとにテーマを決めて、それに興味がある人を募り、対話する月1回のミーティングを主催しています。まだ参加者は一部ですが、少しずつ前向きな声が増えてきました。
もちろん全てがスムーズに進むわけではなく、提案したアイデアが現場に合わず見送りになることもあります。ですが、それも互いが組織のことを真剣に考えているからこその、建設的なフィードバックだと捉えています。そうした意見も真摯に受け止めながら、より良い形を模索しているところです。
小山:課題に向き合いながらも、着実に歩みを進めているのですね。
竹江:はい。この取り組みを一時的なもので終わらせず、新しいメンバーが入ってきたときに「こういう温かい対話の仕組みがあるのが、APCの当たり前なんだよ」と自然に伝えていけるような、組織の共通文化として根づかせていきたいです。
小山:カルチャーを根づかせるのは根気がいることですが、自分たちの手で組織を良くしていこうとする竹江さんの姿勢に、私もすごく勇気をもらいました。これからの挑戦も応援しています!
【人事・小山の視点】自らの意思でカルチャーを「育てる側」に回るという、キャリア戦略

社内の環境やカルチャーというものは、経営やマネジメントレイヤーの人材や人事が主導しどちらかというと一方的になりがちです。しかし竹江さんは「この取り組みを形にするために、自分も一緒に手を動かそう」と、主体的にカルチャーを育てる側に回ってくれたのです。
実は、こうした経験はエンジニアのキャリアにおいて大きな強みになります。技術スキルを高めることはもちろん大切ですが、組織の課題を自分事として捉え、周囲を巻き込んで環境を良くしていける能力は、どの現場でも通用するポータブルスキルだからです。
「用意された環境で働く」ことから一歩踏み出し、自分たちで心地よい場所を耕しながら、自らの価値も高めていく。竹江さんの実践的なアプローチは、エンジニアが組織の中で自分らしく活躍し続けるための、新しいキャリア戦略だと感じます。
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