2026/01/26
ACS事業部リーダーインタビュー Vol.2:土居 幸平 ―GTM室 室長
エーピーコミュニケーションズ(APC)の社内新規事業部署である、ACS事業部では
プライム案件を前提とする戦略を立て、攻めのDXと言われる不確実性の高いアジャイル/DevOpsの領域において活動しています。
技術メソドロジーとしては、Azureを中心としたクラウドネイティブ/Platform Engineering/IaC/AI駆動開発/LLMなどの領域で、主にエンタープライズ企業を中心に支援を行っています。
営業・マーケティング・コンサルティングというビジネス機能を持ちながら、その実態は「エンジニアの心を理解したプロフェッショナル集団」。
それがACS事業部のGTM(Go-To-Market)室です。
「現場の辛みや痛みを知り尽くしている」からこそ、本当に必要な仕組みを作ることができる。
自身もエンジニアからマネージャー、そしてビジネスサイドの責任者へとキャリアを広げてきた土居幸平に、事業部の「スイーパー(守護神)」としての役割や、「SIのプロダクト化」という野心的なビジョンについて語ってもらいました。
土居 幸平(どい こうへい)
ACS事業部 GTM室 室長
SIerにてインフラエンジニアとしてVMWareやストレージ、ネットワーク構築など幅広い領域を経験。クラウドネイティブ技術領域への興味から転職を決意し、2021年にAPCへ入社した。AzureやKubernetes、GitHub導入支援を行うエンジニア、お客様への導入支援を行うチームのEngineering Managerを経て、現在はエンジニア出身の視点を活かし、営業・マーケティング・DXコンサルティング・プラットフォームチームを統括するGTM室を率いている。現在は岡山県からフルリモートで勤務しつつ、月数回の東京出張をこなす。
「SIのあり方」を、プロダクトで変える。
エンジニアの“痛み”を知り尽くした、GTM室の挑戦
ミッション:エンジニアの「100%」を引き出すため、事業部を支える「ガーディアン」になる
——GTM(Go-To-Market)室は、ACS事業部の中でどのような役割を担っているのでしょうか?
土居: 一言で言えば、事業部運営の「コア(核)」であり、エンジニアとビジネスを繋ぐ「グルー(接着剤)」のような役割です。
ACS事業部は、プラットフォームエンジニアリングやAIといった最先端技術を武器にしています。そうしたこともあり、所属しているエンジニアたちは、技術が大好きで、常に新しい情報をキャッチアップしています。
しかし、組織が回るためには、売上の管理やステークホルダーへの報告、業務プロセスの改善といった「非エンジニアリング領域」の業務がどうしても発生します。これらをエンジニアに背負わせてしまえば、彼らのパフォーマンスは落ちてしまいます。
そこで私たちは、事業部を円滑に回すための「ガーディアン(守護者)」として、技術以外のあらゆるビジネス機能を一手に引き受けています。エンジニアの前にある障害物を取り除き、彼らが本来の業務である「高度なエンジニアリング」に100%集中できる環境を整えること。それが私たちの最大のミッションです。
——なぜ、そこまで「エンジニアを支えること」にこだわるのですか?
土居: 私自身の原体験が大きいです。前職のSIer時代、私は巨大な組織の「歯車」のように働いていて、自分の仕事がどう会社や社会に貢献しているのか実感できませんでした。
しかしAPCに入社し、組織が数名のチームから30名規模へ、そして大手エンタープライズ企業と対等に渡り合うまでに成長する過程を、当事者として経験しました。 「専門性を極めた人間が揃えば、組織は圧倒的に強くなる」。それを肌で感じたからこそ、エンジニアの言葉が分かり、かつビジネス視点も持てる自分が「プロフェッショナルな仲介役」になることで、この組織をさらに強くしたいんです。
業務の特徴:技術を「価値」へと変換する。GTM室が担う3つの機能
——具体的には、どのような業務を行っているのでしょうか?
土居: 「GTM(Go-To-Market)」の名前の通り、技術を市場に届けるためのあらゆる活動を担っています。 当組織は主に「マーケティング・営業」「DXコンサルティング」「プラットフォームチーム」の3つの機能を有しているのが特徴です。
まず「マーケティング」では、エンジニアコミュニティへの登壇などの技術発信や、MicrosoftやGitHubといった強力なパートナーと連携した集客企画を立案します。「営業」では、プリセールスから導入後のポストセールスまで一気通貫で伴走し、お客様との関係を深めていきます。
また、「DXコンサルティング」領域では、「APCとしてどうバリューを出すか」を念頭に置きながら、お客様企業の意思決定者と共に、1年〜3年スパンでの導入プランニングや、開発生産性向上のための施策を練り上げます。実行段階になったら、必要に応じて他事業部も含めた社内のチームを巻き込んだ支援体制を構築する、まさにプロジェクトの「司令塔」ですね。
——「営業やマーケティングを行う」というと、一般的な営業職と同じようにも聞こえますが、違いは何でしょうか?
土居: 最大の違いは、メンバーの多くがエンジニア出身であり、現場の「辛さや痛み」を知り尽くしているという点です。
私たちが提供する「開発生産性を向上させる仕組み」は、かつて私たちが「エンジニア時代に喉から手が出るほど欲しかったもの」そのものです。 苦労を知っているからこそ、「あそこの繋ぎをこうすればスムーズになる」「現場にはこのツールが必要だ」という解像度が圧倒的に高い。「机上の空論」ではなく、「自分たちが欲しかった理想の環境」を形にしているからこそ、お客様に対しても血の通った、本質的な価値を提供できると確信しています。
——社外向けだけでなく、事業部内向けの活動も行っているそうですね。
土居: はい。「プラットフォームチーム(※)」としての機能も持っており、事業部内の「AIを活用した業務改善」に注力しています。例えば、売上集計の自動化やヒヤリハット防止のプロセス整備などです。 中でも今、最も熱を入れているのが「オンボーディングの強化」です。採用競争が激化する中、ジョインしてくれた仲間がいかに早く・安心して活躍できるか。AI学習を取り入れた育成プログラムを構築し、事業部の「採用・育成力」そのものを競争力に変えようとしています。
※ プラットフォームチーム
開発者がより効率的に開発・運用できるように、共通の基盤やツール、仕組み(プラットフォーム)を構築・提供し、継続的に改善する専門チーム
——どのようなクライアントが多いのでしょうか?
土居: 売上・組織ともに規模の大きな、いわゆる「エンタープライズ企業」が中心です。 ステークホルダーが多岐にわたるため、案件ごとに最適なメンバーを集めた「バーチャルチーム」を構成して提案に臨みます。
最近の技術トレンドとしては、Microsoft Azureを活用したPlatform Engineeringや、GitHubを用いた「AI駆動開発」を組織に定着させる仕組みづくり、そしてBackstage等のIDP(Internal Developer Portal)導入のニーズが非常に増えています。 単なるツールの導入ではなく、「AIエージェント基盤」のような最先端のアーキテクチャをどうビジネスに実装するか、という高度なテーマが中心です。
——現場では、どのようなスキルや役割が求められますか?
土居: 大前提として、私たちの仕事で「チーム内だけで完結するもの」は一つもありません。 例えばマーケティング施策一つをとっても、必ず現場のエンジニアチームと連携し、彼らの深い知見をどう世の中に届けるかを共に考え、動かす必要があります。
ですから、あえて言葉にするなら「ステークホルダーとの高度な調整力」と、「計画を最後までやり抜く実行力」。この二つが生命線です。 また、私たちは組織の中で最もお客様に近い場所にいます。お客様の言葉を鵜呑みにせず、その裏側にある本質的な悩みを掴み取る「ニーズ探索力」も、非常に重要なスキルになります。
チームの雰囲気:自律したプロフェッショナルたちが敬意でつながる「心地よい信頼関係」
——チームはどのような雰囲気ですか?
土居: まだ人数の少ない組織ですので、どうしても一人ひとりが多方面のタスクを担う「専任状態」になりがちです。 しかし、そこには単なる役割分担を超えた、強い信頼があります。私たちは、「そのタスクに対して、今この瞬間、誰よりも時間をかけて真剣に向き合っているのはその人である」という共通認識を持っています。
だからこそ、本人が悩み抜き、創意工夫を凝らして出した判断には、チーム全体が深い敬意を払います。責任を背負って戦っている仲間を信じているからこそ、細かい干渉はせず、結果を尊重する文化が根付いています。
——フルリモート環境で、チームとしての一体感はどう作っているのでしょうか?
土居: 互いへの理解を深めるために、MBTI(性格診断ツール)を積極的に活用しています。 それぞれの強みや弱み、物事の捉え方をデータとして共有し、チームの「共通言語」にするんです。そうすることで、個性の違いを「ズレ」ではなく「補完し合える特徴」としてポジティブに捉えられるようになり、協力し合える土壌ができています。
——コミュニケーションで工夫している点はありますか?
土居: 各自が自律しているからこそ、「孤立させない仕組み」は徹底しています。 毎日あるいは隔日単位で、細かな進捗や「詰まっているポイント」を確認し合う場を設け、小さなボトルネックを放置しないよう、常に解像度高く状況を把握しています。
一方で、「大事な意思決定」や「未来の計画」を練る際は、効率重視のオンラインだけでなくオフサイト(対面)で集まったり、じっくり腰を据えて議論する時間を必ず確保します。 この「日常の細やかな確認」と「ここぞという時の集中議論」のメリハリが、今のチームの心地よい信頼関係を作っていると感じます。

マネジメント:高い目標(センターピン)が、チームを遠くへ運ぶ
——少数精鋭のチームですが、マネジメントで大切にしていることは?
土居: 私たちは自分たちを「まだ何者でもない、小さな組織」だと定義しています。だからこそ、現状維持ではなく常に「チャレンジャー」であり続けたい。 そのために意識しているのが、「予測できる範囲」の目標ではなく、あえて背伸びが必要な「高い目標をセンターピンに置く」ことです。
——高い目標だと、足がすくんでしまいませんか?
土居: そこは逆転の発想です。私たちは、「高い目標を追いかけていたら、いつの間にかもっと遠くまで来ていた」という進化のプロセスを理想としています。
そして、このプロセスで必要不可欠なのが「アウトプット前提の研鑽」と「互いへの敬意」です。
特に私たちはフルリモートが基本なので、誰が何をしているのかが見えにくい。なので、「学んだことは必ず言語化し、外に出す(アウトプットする)」ことを徹底しています。黙々と一人で学ぶだけでなく、それを共有することでチームの資産にするんです。そして、互いの専門性に深い敬意を持つ。それが、離れていても一体感を持って高い目標を目指せる理由です。
——メンバーには、どのように仕事を任せていますか?
土居: メンバー自身のコントロールできる範囲で、どんどん業務を任せてみるようにしています。 私自身、「自分の手でやってみないと、本当のスキルは身につかない」という原体験を持っているからです。だからこそ、正解を教えるのではなく、本人に創意工夫してもらう。魂を込めて考え抜いた仕事なら、レビューでも本音で熱く議論できますから。
その代わり、「もし何かあっても、最終的な責任は私が引き受ける」というスタンスは崩しません。最後は支える人がいるからこそ、メンバーは守りに入らず、思い切りバットを振れるのだと思います。
今後の挑戦:「SIのプロダクト化」への挑戦。AI時代に定義する、エンジニアリングの新しい価値
——今後、GTM室として挑みたいテーマは何ですか?
土居: 最大の挑戦は、「SIのプロダクト化」です。 AIの進化により、従来の「労働集約的なSI(受託開発)」はいずれコモディティ化していきます。単に効率化するだけでは生き残れません。だからこそ、私たちが蓄積してきた高度な知見を、ソフトウェアや共通基盤という「プロダクト」の形に昇華させ、それ自体を価値として提供するモデルへ転換しようとしています。
——具体的にはどのようなイメージでしょうか?
土居: 例えば、現在開発している自社プロダクトである開発者ポータル「PlaTT(プラット)シリーズ」を、AI時代の開発体験を支えるインフラとして成熟させること。そして、最先端の「AI駆動開発(AI-Driven Development)」や「AIエージェント基盤」を、単なるツール導入ではなく、組織に定着する「仕組み」として提供することです。 「AI時代におけるPlatform Engineering」の第一人者として、市場のスタンダードを作っていく。それが私たちの目指す未来です。
メッセージ:正解のない「カオス」を楽しめる人へ
——どんな人と一緒に働きたいですか?
土居: 一言で言えば、「失敗を恐れず、驚くべきスピードで前向きに準備を進められる人」です。 私たちは今、「SIのプロダクト化」という、誰も正解を知らない難易度の高い領域に挑んでいます。正直、カオスです(笑)。 でも、だからこそ面白い。
「仕事としてこなす」のではなく、この状況を楽しみ、「自分の手でこの組織を、そして業界を塗り替えてやろう」という野心を持った方には、これ以上ない環境だと思います。
——最後に、応募を検討している方へメッセージをお願いします。
土居: 私たちは「0→1」や「1→10」のフェーズにいます。AIには代替できない、「仕組みそのものを設計する力」や「泥臭く試行錯誤して事業を形にする力」を磨くには、絶好のタイミングです。
「このミッションが実現した世界を、自分も見てみたい」。そう思える方と、共に熱狂しながら未来を創っていけることを楽しみにしています。
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