2025/10/20
【エンジニアリングマネージャー】一人では見えなかった景色へ。個々の技術を束ね、チームの力に変える

エーピーコミュニケーションズ(以下、APC)には、エンジニアがエンジニアであり続けるための「キャリアパス」が複数あります。
紹介するのは「エンジニアリングマネージャー(以下、EM)」です。ミッションは、テックリードとしてチームを技術的に牽引しながら、管理職としてチームのパフォーマンスを最大化すること。個々の才能を掛け合わせ「チームの力」を生み出す、組織の成長に欠かせないポジションです。
今回は、静岡からフルリモートで勤務し、クラウド事業部でEMとして活躍する鈴木さんに話を聞きました。EMを選んだ理由や、「技術」と「人」をつなぎチームで価値を最大化していく仕事の醍醐味、今後の展望について語ってもらいます。
APCのキャリアパス制度設立の背景や概要は以下でもご紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。
APCだから叶う、エンジニアがエンジニアであり続けるキャリアパス
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鈴木 達朗 (すずき たつろう)
クラウド事業部 IaC技術推進部 Cloud Native Group / エンジニアリングマネージャー
静岡県在住。静岡のSIer企業に約12年間在籍し、官公庁や大学向けのサーバー設計・構築、運用保守を経験。プレイングマネージャーとしてインフラ業務に従事した後、2023年、APCへ。静岡の自宅からフルリモートで勤務し、活躍の場を全国へと拡大。「技術」と「マネジメント」の両面から課題解決を導いた経験を活かし、EMとして活躍中。
お客様とエンジニアの「橋渡し」。DX推進の土台を築く
—— まずは、現在の業務内容について教えてください。
鈴木:私が所属しているIaC技術推進部は、「守りのDX」と「攻めのDX」という2つの軸でお客様のDX推進の支援を行う部門です。
多くの方がDXと聞いてイメージするような、デジタル技術を活用したサービスやビジネスモデルの変革は「攻めのDX」にあたりますが、私が在籍するチームが担っているのは「守りのDX」です。
—— 「守りのDX」とは、具体的にどのようなものでしょうか。
鈴木:お客様が新規事業の創出といった「攻めのDX」に集中するためには、まず既存業務のコストや時間を削減し、リソースを捻出する必要があります。そのために、既存の業務システムを改善したり、オンプレ環境からクラウドへ移行したりすることで、IT部門の負荷を軽減し、リソースを生み出す。その土台作りとなる取り組みが「守りのDX」です。
私の主な役割は、プリセールスの過程で、お客様が抱える課題とエンジニアが持つ技術をつなぐ、いわば「橋渡し」です。具体的には、エンジニアの技術力や特性を把握した上で、お客様に対して最適なソリューションを提案する。最終的に、ゴール達成に向けた計画をお客様と共に描き、合意形成します。その上で、必要であれば私自身がプロジェクトマネージャーとして、計画の実行まで責任を持って担当することもあります。
—— EMには技術とマネジメントの両面が求められますが、そのバランスはどのぐらいですか?
鈴木:組織のコンディション管理や予算管理、メンバーとの1on1といった管理業務が4割ほどです。では、残りの6割で私自身が手を動かしているかというとそうではありません。その大半は、最適なソリューションの提案に向けて、メンバーや他部門のエンジニア、あるいはベンダーとの協議、技術的な実現可能性を探るための調査に費やしています。
技術的な妥当性やコスト面も含めて判断できるよう支援する、ITコンサルタントに近い役割かもしれません。
大規模プロジェクトから学んだ、一人では越えられない壁
—— 鈴木さんは、APC入社当初からEMを目指していたのですか?
鈴木:いえ、前職ではオンプレ環境でのサーバー設計・構築が中心だったので、APCではメンバーとしてクラウドのスキルを磨き、1〜2年かけて管理職も含めたキャリアを考えようと思っていました。
転機は、入社して半年ほどで関わった大規模なクラウドリフト案件です。プロジェクトの途中でいくつもの課題が発生し、設計の大幅な見直しに追われることになったのです。設計の見直し自体はチーム全体の力でなんとか軌道修正できたのですが、「遅延したスケジュールを元に戻す」という大きな課題が残りました。
—— どのように乗り越えたのでしょうか。
鈴木:オンスケジュールに戻すためには、サービスのデプロイを効率化し、リカバリー計画を再策定する必要がありました。解決にあたって私一人では難しいと判断し、すぐに上長やIaCの経験が豊富な複数のメンバーに協力をお願いし、ようやくオンスケジュールに戻すことができたのです。
一連の経験を通じて「技術」と「マネジメント」を両立させなければ、こうしたトラブルは乗り越えられないと痛感しました。この出来事をきっかけに、上長から「EMをやってみないか」と打診を受けました。。
チームで挑むからこそ味わえる大きな達成感
—— 最もやりがいを感じたエピソードを挙げるとすると、やはり先ほどの大規模案件ですか?
鈴木:間違いなくその案件です。1年半近くにわたる長期間のプロジェクトでしたし、様々な制約がある中で、前例のない規模での挑戦でした。トラブル対応からスタートし、関係者と粘り強く対話を重ね、少しずつ信頼を得て、最終的には当初の想定を上回る規模の次回契約をいただくことができました。
苦しい状況をチームで乗り越え、信頼を勝ち取り、大きな成果につなげられた経験は本当に達成感がありました。
—— 大きな成功体験が、次のキャリアにつながったんですね。改めて、EMの醍醐味や魅力は何だと感じますか?
鈴木:様々な部署の方やベンダーの方々と連携する機会が非常に多く、メンバーの時には得られなかった、より高い視座と広い視野を持てる点です。
EMになることで、技術的な最新トピックも含め様々な情報が自然と入ってくるようになるので、その情報をチームや事業部の施策に還元することもできますし、自分が興味を持った分野をさらに深掘りしてテックリードとしてチームを牽引することもできる。多様な情報を収集し、それを活用してチームの価値を高めていける面白さは、EMならではだと思います。
—— 他の職種にないEMの特徴をどのように捉えていますか?
鈴木:EMは、チームメンバーそれぞれの強みやお客様が抱える課題といった、常に変化する要素を臨機応変に組み合わせ、最適なものを提案していく役割です。
私自身、若い頃は自分のスキルでお客様の課題を解決しようとしていましたが、個人の力の限界に気づきました。そこから、チームとしてより大きな課題を解決するために、周りを頼ったり、相談したりすることが習慣になっていったんです。
一人ひとりのエンジニアが持つ才能を掛け合わせ、チームとしてさらに大きな力に変えていく。そのプロセスは、組織運営やチームビルディングそのものであり、EMの大きな特徴ではないでしょうか。
目指すは全国のプライム案件。チームで描く未来
—— 今後のEMとしての目標や、チームのビジョンについてお聞かせください。
鈴木:現在は都内中心の案件が多いですが、今後は全国で我々がプライムとなる案件を増やしていくことを目標にしています。APCという会社、そして私たちのチームが提供できる価値を、より多くのお客様に知っていただき、全国にファンを増やしていきたいです。
そして、その目標を達成するためには、より多くの様々な知識を持つメンバーと仕事をする機会を増やし、チームとして提案できるスキルの組み合わせの数を増やしていく必要があります。組み合わせが増えれば増えるほど、私たちの提案の幅も広がりますから。
クラウドネイティブや自動化の専門家集団であるAPCだからできる、本質的なソリューションがあると思っています。
—— 最後に、EMに興味を持っている方にメッセージをお願いします。
鈴木:人という要素と、技術という要素、その両方を組み合わせ、より良いものを提案していくのが、EMとしての役割です。技術に軸足を置きながらマネジメントキャリアを築きたい、あるいは個人の成果だけでなくチームでより大きな成果を出したいと考えるエンジニアにとって、魅力的な選択肢の一つだと思います。
様々な技術に高い関心を持っていることはもちろんですが、それ以上に、お客様や一緒に働くチームメンバーに高い関心を持てる方にチャレンジしてもらいたいです。「どうすれば、それぞれのスキルを組み合わせて良いものができるか」と、共に議論を重ねながら、より良い提案や施策を生み出していけたら嬉しいですね。
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