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2025/12/04

【インフラエンジニアへの道 キャリア相談Q&A】#8|就活生が知っておくべきITインフラの変化とトレンド

「ITインフラ」と聞いて、どんな仕事を想像しますか? もし「サーバー室で配線をつなぐ仕事」というイメージを持っているなら、その情報はアップデートが必要かも。

現在、ITインフラ業界はクラウドネイティブや生成AIの普及により、かつてない変革期を迎えています。働き方はリモートワークが可能となり、業務内容はコードを駆使した自動化や、AI活用を見据えた高度な設計へとシフトしました。

今回の【インフラエンジニアへの道 キャリア相談Q&A】では、エンジニア歴23年の副社長・永江と、IT業界で10年以上の採用経験を持つ人事責任者・小山が徹底解説。オンプレからクラウド、そしてAI時代へと続く技術の変遷と、それに伴い変化した「働き方」「求められる人材像」について深く語ります。インフラ業界に興味がある就活生必見の内容です。

永江 耕治(ナガエ コウジ)
取締役副社長

Webエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、2002年にエーピーコミュニケーションズに入社。SIベンダーでプリセールスから設計・構築までを行うプロジェクトにエンジニアとして参画しながらマネジメントも兼務。その後、人事部門に異動。業務と並行して、MBA(2012年卒。中央大学大学院/人的資源管理専攻)を取得。2016年にITインフラ部門へ戻り、部下250名を抱える事業部責任者を務める。2018年に取締役副社長に就任。
【配信中メディア】YouTubeにて技術書を100倍楽しむ!『エンジニアBooks』、Podcastにて『インフラエンジニアのホントのところ

小山 清和 (コヤマ キヨカズ)
コーポレート部門 戦略人事本部 Talent Acquisition部 部長

飲食業界からキャリアをスタートさせ、その後、人材ビジネスに携わり、採用業務経験を積む。2016年10月にグッドパッチに転職し、キャリア採用をメインに、現場と連携した強固な採用体制の構築、採用数の確保、離職率の改善、認知度向上などに向けた施策などを推進。2023年11月にエーピーコミュニケーションズに入社し、2024年1月からTalent Acquisition部の部長として全社の採用戦略を担う。趣味は週6日のランニング。副業ではプロコーチとしても活動中。
【配信中メディア】Podcastにて『インフラエンジニアのホントのところ

<目次>
「ITインフラ」って何ですか?
ITインフラの技術はどのように変化してきましたか?
クラウドの登場で、働き方は変わりましたか?
クラウド時代、エンジニアに求められる能力は?
現在の ITインフラトレンドは?

⬛️ 「ITインフラ」って何ですか?

永江: ITインフラとは、一言で言うと「ITサービスの土台となる設備」のことです。水道や電気が発電所や電線に支えられているのと同じように、私たちが普段使うアプリケーションやインターネットの裏側にも、それらを支える見えない「ITインフラ」が存在しています。ITサービスの「当たり前」を支える見えない土台、それがITインフラです。
土台の重要性というのは、家を想像すると分かりやすいと思います。いくら見た目の良い豪華な家を建てても、基礎工事が弱く、水道や電気が通っていなかったら住めませんよね。ITの世界もそれと同じです。しっかりとしたインフラがなければ、データのダウンロードに時間がかかったり、システムが落ちてしまったりすることもあります。私たちが普段使っている便利なサービスも成り立ちません。

⬛️ ITインフラの技術はどのように変化してきましたか?

永江:ITインフラは、インターネットの普及以来、常に変化を遂げてきました。

初期:オンプレミス環境での物理的な作業(1995年頃~2010年代前半)
黎明期と呼ばれる1995年は「Windows 95」が発売され、インターネットの商用利用が始まった頃です。ここからしばらくは、企業が自社内にサーバーなどの設備を設置し、自分たちで運用・管理を行う「オンプレミス」という形態が主流でした。エーピーコミュニケーションズも、1995年の設立当初はネットワークの保守や監視といった業務からスタートしました。

転換期:仮想化技術とクラウドの登場(2010年代前半~半ば)
2000年代後半から2010年代前半にかけて、仮想化技術が登場し、その後、AmazonのAWSのようなクラウドサービスが普及し、大きな流れとなりました。日本国内では、AWSの東京リージョン開設が2011年で、このタイミングで潮目が変わったと言えます。クラウドの普及により、サーバーの物理的な作業が仮想化され、遠隔操作や自動化が可能となり、作業効率が向上しました。

現代:クラウドネイティブ、自動化、AI基盤(2010年代半ば~現代)
2010年代半ばから後半にかけては、クラウドを使う前提で構築される「クラウドネイティブ」という考え方が広がり、それに伴い、インフラをコードで管理する技術(IaC)やネットワーク自動化が進みました。そして現在は、AI技術の導入が次の大きな波となっています。

エーピーコミュニケーションズの事業内容も変化し、データAI基盤や生成AI基盤の構築支援にも取り組んでいます。AIによる変化は、クラウドによってもたらされた変化に匹敵するぐらいのインパクトがあると思います。

⬛️ クラウドの登場で、働き方は変わりましたか?

永江:大きく変わりました。
クラウドが登場する前までは「オンプレミス」での運用が中心でしたから、企業はデータセンターやサーバールームでサーバーを管理し、インフラエンジニアは現地に赴いて物理的な作業をすることが多かったのです。
エーピーコミュニケーションズもネットワークの保守や監視をメイン事業としていた頃は、エンジニアは24時間365日のシフトを組んで対応していました。今と比べると、当時のIT業界全体に「労働時間が長く激務」というイメージがありましたし、実際にそういった側面があったのも事実です。

しかし、クラウドの登場で状況は一変しました。遠隔で作業ができるようになったことで、作業効率が格段に向上。働き方改革の波も後押しとなり、業界全体での残業時間は減少傾向にあると思います。

小山:働く場所の柔軟性が高まったことで、リモートワークもしやすくなりました。実際に、当社でも社員の8割がリモートワーク中心の働き方を実現しています。当社のオフィスは東京にありますが、北海道から沖縄まで幅広く従業員が在籍しており、80名近くが関東圏外に住みながらリモートワークで働いています。

⬛️ クラウド時代、エンジニアに求められる能力は?

永江:クラウド時代において、エンジニア、特にインフラエンジニアに求められる能力は、技術の専門性を超えて、より幅広く、ビジネスや組織との連携に関わるものへと変化しています。クラウド上での設計やコスト管理、そしてSRE(Site Reliability Engineer)のような開発と運用の橋渡し役を担う新しいポジションも生まれています。

しかしながら、大前提となるのは「ITインフラに関する専門家としての技術力」です。クラウドに関する知識と経験が求められますが、基本的なネットワークやサーバーの知識も不可欠です。また、IT技術は変化し続けるため、常に新しい領域をキャッチアップできる力も必要となります。

そして、私が最も重要だと考えるのは、技術を武器にお客様の課題を発見し、真の顧客価値へと転換できる力です。 単に技術力があるだけでなく、自ら課題を「設定」し、解決までやり遂げる力があるか。この一連の流れを担える人こそが、これからの時代に求められる市場価値の高い人材だと言えます。

企業は、技術だけでなく市場や事業を理解し、インフラ技術の活用方法を提案できる人材を必要としています。

小山:リモートワークが働き方の前提となる場合は、「セルフマネジメント(自律)」ができることが重要だと思います。リモートワークは、社員が自律的に自分で考えて仕事をするという前提のもとで成立します。周囲の目がない状況でもサボらず、分からないことがあれば自分から相談や質問をして解決していく能力が不可欠です。

リモートワークのような柔軟な働き方は、組織への貢献意欲と成果を出す実行力がセットになって初めて成り立つため、自己を律し、高い価値を提供し続けるための自律的な働き方が求められると思います。

⬛️ 現在の ITインフラトレンドは?

永江:ITインフラのトレンドとして、最も注目されているのはAI技術です。具体的な分野としては、データAI基盤や生成AI基盤の構築支援です。AIが普及するほど、このインフラ整備の仕事は増えていくと予測されています。

また、AIによって業務が進化することも注目されています。コードを人が書いてシステムを自動化するだけでなく、今後はAIが自動的に状況を判断してシステムに変更を加えたり、システムの異常を自動検知するような領域が広がっていくと考えられています。これらのAI関連領域は、今は確実に成長市場であると言えますね。

* * * *

今回の【インフラエンジニアへの道 キャリア相談Q&A】では、「ITインフラの変化とトレンド」に関する疑問に、お答えしてきました。本記事が、自分自身に合ったキャリアパスを見つけるヒントになれば嬉しいです。

また、皆さんからの質問も随時受け付けています。悩みや疑問、気になることがあれば、ぜひお気軽にお寄せください。引き続き、現役のプロがアドバイスしていきます!

【質問フォームはこちら
※この記事は、Podcast『インフラエンジニアのホントのところ』の内容をもとに再構成しています。

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