SERVICE株式会社アット東京 様

ネットワーク内製化に取り組んだら、
理想のチームに近づけた 株式会社アット東京 様

今回はアット東京のソリューション本部 ネットワークサービス部 ネットワークサービス開発グループの小椋様・久保様から、『ネットワーク自動化サービス「Automation Coordinator」』をご利用いただいた背景や感想などをお伺いしました。

株式会社アット東京

ソリューション本部 ネットワークサービス部 ネットワークサービス開発グループ
グループマネージャー 小椋 祐也 様
チーフ 久保 仁史 様

― 株式会社アット東京様とソリューション本部 ネットワークサービス部 ネットワークサービス開発グループの業務概要をお聞かせください

小椋:アット東京は2000年の会社設立以来、信頼性の高い電源供給、耐震性に優れた施設、光ファイバーネットワークなどの最高水準の設備インフラとともに、高度な設備保安技術を活用した24時間365日の安定稼働によるデータセンターサービスを提供しています。近年では、目まぐるしく変化する情報化社会にて、データセンター事業に求められることが多様化してきています。
私達ネットワークサービス開発グループでは、当社のデータセンターとクラウドを接続するサービスなど、ユーザー様に当社のデータセンターをより便利にお使いいただくための付加価値的なサービスを開発しています。

久保:新しくサービスを開発するだけではなく、現在運用中のサービスに関しても運用の仕組み化や自動化といった継続的な改善活動を行っています。また、障害やトラブル対応なども担っています。

ブラックボックス化した自動化ツールがビジネスチャンスを阻害していた

― 御社では仕組み化や自動化の内製化に力を入れているとお聞きしました。その背景をお聞かせいただけますか?

小椋:当社では現状、様々な仕組み化、自動化を進めています。システムは一度作って終わりではなく、市場のニーズに合わせて新しいサービスやメニューの追加も当然必要です。しかし、それを迅速に実現するためには現在の社内リソースと経験では不足していました。

また、パッケージ化されたようなシステムではブラックボックスになってしまっていることが多く、自分たちで機能追加をしようとしても、ロジックの解析から様々な検証などが必要となり時間もコストもかかり、保守対象外となる可能性もあります

これらの課題が機会損失に繋がりかねないため、内製化によってこれを解消したいと考えました。

久保:また、我々の中でも暗黙の了解になっているやり方やルール、ノウハウなどがブラックボックス化しており、仕様に上手く落とし込めなかったりしていたため、正しい課題解決に繋がらないという歯がゆさもありました。いままでの業務領域における経験だけでは、難しかったですね

小椋:自分たちでシステムを作ることができれば、サービスやメニュー追加、仕組みの改修などにも俊敏に対応することができますし、仕様から漏れていたポイントがあってもすぐに反映できるのではないかと考え、内製化に注力し始めました。

― 内製化に取り組まれるに当たってのご苦労などはございましたか?

久保:当時は4名のチームだったのですが、アプリ開発のスキルを持ったメンバーが2名しかいませんでした。モノをつくるにもスキルトランスファーをするにも、その二人に負担がかかってしまい、結果的にどちらもなかなか進まないといった状況がありました。

小椋:既存業務では、優先すべきサービス開発や障害対応などもあり、新しいスキルの習得は理想通りにはいきませんでした。勉強し続けても思うように習熟できず、自分たちの成長を感じられないことにモヤモヤした気持ちを抱えていました。

久保:チーム内にスキルギャップがあると、その分野に関しては有スキル者の意見に引きずられてしまい、間違っていても指摘できないという危うさも感じていました。

目指すのは自分たちで変化に素早く対応できるチーム

― そういった状況で当社を採用して頂いた決め手などをお聞かせいただけますか

小椋:だいぶ昔なのですが、とあるカンファレンスの懇親会でご一緒したエンジニアさんがエーピーコミュニケーションズ(以下、APC)の方で、その時初めてAPCという会社を知りました。その後もAPCさん主催の勉強会に何度か参加させて頂いています。その頃はまだ、先にお話したような悩みは抱えていなかったのでお仕事にはつながらなかったのですが、いざこういった課題が見えてきたときに思い出してお声がけさせて貰いました。

もちろん他にも何社かご提案をいただいたのですが、色々検討しましたが、「単純なエンジニアリソースの提供では継続してやりたいことが実現できない」ことがポイントでした。

APCさんは『自律支援型』という、ただ自動化システムを作るのではなくユーザーが自分の手で自動化を推進できるようにサポートしていくというコンセプトを掲げていて、それが我々の思いと一致したというのが一番の決め手です。

私達のチームでは『思考領域の拡大と手段の多様化』をチームの方向性として掲げました。思考は様々な経験や知識がバックグラウンドになっているため、広い思考ができる人たちの集団は多様な手段を持つことができるのではないかと思っています。多様な手段の中から課題にあったアプローチを選択し、自分たちで変化に素早く対応できるチームを目指すということなのですが、APCさんとならそんなチームづくりができそうだと感じました。

久保:加えて言うと、我々はネットワークをメインで扱っているので、APCさんがネットワークにも自動化にも精通されている点も安心感がありました。最新の技術動向に敏感なエンジニアも多く、お付き合いされているお客様も多種多様で色々な経験をされている点も心強いと思いました。

自動化導入やブラックボックス撲滅はゴールではなく手段
外からの風を入れ、チームの文化から変えていく

― ありがとうございます。ネットワーク自動化サービス「Automation Coordinator」の『プロフェッショナルサービス』をご利用いただき、当社のエンジニアが御社のチームに参画させて頂いておりますが、どのようにお役に立てておりますでしょうか?

久保:最初は運用チームの業務改善ツール2つを一緒に作るところから始め、CI/CDを回すための環境整備やシステム開発のためのルール作り、体制作りなどにも提案と導入支援をしていただきました。お客様宛メールの作成効率化ツールと管理表のデータ検索ツールで、今も現場で活躍しています。現在は、構成管理を担うシステムの開発を進めています。

当然ですが、パッケージ化されたシステムの場合は、仕様に定めた以上の物にはなり得ないし、ブラックボックスにもなりやすい。もちろん適材適所で活用することもありますが、APCさんは私たちのチームの中に入ってくださり手を動かし、日々運用しているデータも直接触っているので、良いとこどりしてみたり、我々では気づかなかったようなことに気付いてもらえたりするんです。しかも社内にいるので、テスト試行した際の社内やユーザーからのフィードバックも、我々と同じ目線で受けとめて「自分ごと」として対策を考えてくれる。こうして一緒にシステムや仕組みを作っていくので、どんどん良いものになっていくしブラックボックス化も解消されて、おかげさまで自分たちで変化に素早く対応できるチームづくりも実現できつつあります。 そのような目線が、文化としても定着することも期待しています。

小椋:開発の話から少し逸れますが、チーム内でサービス開発の話をしていると、どうしても『社内やチーム内の常識』が多く出てきます。それに対してAPCメンバーは素直な目線で「それってどういうことですか?」と聞いてくれたり、「こんなやり方もありますよ」とアイディアを出してくれたりするのですが、こういったいつもと違う意見や問いによって、狭まりがちだった視野が広がり選択肢が増えているように感じています。

また、APCメンバーは色々な勉強会やLT大会(プレゼンイベント)を企画してくれており、こういったインプットとアウトプットを繰り返すことで、以前抱えていた「成長を感じられない」というモヤモヤが払拭されるとともに、新しい技術を習得していく文化が形成されつつあります。LT大会は私達のチームだけではなく、APCさんの他のエンジニアの方々にもご参加いただいているので、我々のアンテナも高くなりインプットの幅がさらに広がっています。我々のアウトプットも、多少なりとも参加いただいた方々のお役に立てれば嬉しいと思いながら取り組んでいます。

― エンジニアリング文化の醸成を大切にされるお客様と一緒にお仕事をさせて頂けることは、当社にとっても大変幸せなことだと感じています。最後に、今後の目標や展望をお聞かせいただけますでしょうか?

久保:勉強会の開催や新しい情報の展開など、こういった営みを自分たちで自律してできているかというとまだ足りないですが、我々のマインドも変化してきているので、そういった部分の変革は継続して行きたいと思っています。

勉強会などには社内の運用チームにも参加してもらっているので、技術を広めていくような取り組みも全社的に展開していきたいと考えています。

小椋:自動化の導入やブラックボックスの撲滅はゴールではなく手段なので、こういったことに取り組みながら、私達が目指している「自分たちで素早く変化に対応できる組織」を作っていきたいと思っています。

― 貴重なお話をありがとうございました。

遠鉄システムサービス株式会社

株式会社アット東京

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