エーピーコミュニケーションズ クラウド事業部
私たちクラウド事業部では、これまで数多くのAWS、Azureといったパブリッククラウドや、コンテナ基盤でのSIに加えて、IaC導入、CI/CD導入を手掛けてきました。今回は、通信キャリア様が展開されている政治・経済・社会・国際・スポーツ・エンタメなど様々な情報を配信するニュースサイトに対して、AWS導入、およびIaC化導入をさせて頂いた案件について、ご紹介をさせて頂きます。
お客様は、月間の総利用者が3000万人を超えるニュースサイトの運営をおこなっており、 選挙やスポーツイベントなど、予定が見えているイベントなどがある際には、サイトの負荷を考慮して事前にサーバ台数を調整するなどをおこなっておりましたが、突発的な速報などを配信する際の基盤の柔軟さに悩みを抱えており、クラウドリフトによるコスト削減の他、オートスケーリングを使った柔軟性や、必要な時にだけサーバを増減させることによるコスト削減の他、運用面が簡易化されることによる、運用コストの削減効果を期待し、AWSへのクラウドリフトに踏み切られました。
オンプレミスからAWSへクラウドリフトを行うにあたり、IaCの導入や、サーバレス化などを合わせておこなおうとしますと、とても時間が掛かるだけではなく、労力とコストが嵩んでいってしまい、効果を実感できるまでに時間が掛かってしまいます。クラウド導入の初めの一歩として、何から始めていくのかが、重要となってきます。時間、コスト、リソースをしっかりと見極めていき、スモールで良いので、クラウドによる恩恵を実感していくことが大事になります。 そのためにも、まずは既存の環境をそのままクラウドリフトすることも一つの手段であり、クラウドネイティブな環境に切り替えていくのは、その後、必要に応じて実施するケースも多いです。
今回の事例では、オンプレミスのWebシステムをAWSのEC2、RDS、S3を使ったシンプルな構成ではありながら、アベイラビリティゾーンを分け、オートスケーリングを設定することで可用性を担保しつつ、オンプレミスで掛かっていたサーバ購入コスト、データセンター利用などの維持コストが無くなったことにより、大幅なコスト削減を実現することができました。
IaC導入にあたっては、IaCの恩恵を最大限に受けるために、まずは標準化をおこなうことから始めます。
今回の事例のお客様ですと、オンプレミスの環境をほぼそのままクラウドリフトをおこなっていたので、サーバ毎にディレクトリ構成、ユーザー設定、インストールされているM/Wなどがバラバラとなっており、このままコード化してしまうと、サーバ毎にコード化する必要があるため、導入するにあたり時間が掛かるだけでなく、導入後の管理面においても労力が掛かってしまう状況でした。システムに必要な要件を改めて見直し、このような差分をなるべく無くすことから始めていきました。
またIaCを実装する段階においても、すべてをIaC化するのではなく、影響が少ない作業からコード化することで、利用者の習熟度を高めていきながら、IaC導入の恩恵を実感し、関連する人たちのIaC導入に対するモチベーションを保ちながら進めていくことで、予定されていたすべての工程が完了し、IaC導入が完了しました。
現在は、IaCを使い構成管理をしていきつつ、次のステップとしてサーバレス化、コンテナ化を検討され始めています。
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