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2025.01.22

「Microsoft Platform Engineering Day ~ アプリ開発を支えるプラットフォームエンジニアリングの最前線」に当社エンジニアが登壇しました

2024年12月3日に開催された日本マイクロソフト株式会社(以下:Microsoft)主催のオンラインイベント「Microsoft Platform Engineering Day ~ アプリ開発を支えるプラットフォームエンジニアリングの最前線」にて、ACS事業部クラウドエンジニアの青木平が登壇しました。その登壇の内容をご紹介します。【イベントページ:https://msevents.microsoft.com/event?id=4057764558

◆イベント概要

本イベントは、現在注目を浴びているPlatform Engineeringをテーマにしたオンラインイベントです。

コンテナをはじめとしたクラウドネイティブ技術の発展やDevOpsの浸透、多岐にわたる便利ツールの登場により、アプリケーション開発の現場は大きく変わりました。その一方で、開発者一人が扱わなくてはいけない技術の高度化、複雑化により認知負荷が年々高まっていると言われています。

このセッションでは、開発チームに一貫性のある自動化されたエクスペリエンスを提供し、新機能を迅速かつ安全に出荷し、クラウドサービスを可能な限り効率的に利用できるようにするための、プラットフォームエンジニアリングのベストプラクティスについて説明します。マイクロソフトのとらえるプラットフォームエンジニアリングの概要、およびDeveloper Work Environment、GitHubツールについてもご紹介します。

◆セッションハイライト

「お客様事例から見るMicrosoft AzureにおけるPlatform Engineeringのすすめかた」と題し、ACS事業部クラウドエンジニアの青木平氏が登壇し、プラットフォームエンジニアリングの重要性や導入事例、APCの取り組みについて紹介しました。

青木はCNCFのKubernetesの資格全5種を同時に保持するトップエンジニアとして「Kubestronaut」に認定されています。(※)

※Kubestronaut プログラム は、継続的に学習に励み、Kubernetes のスキル レベルを高めてきたコミュニティ リーダーを表彰するもので、CNCFが管理する以下のKubernetes認定資格に合格した者だけが認定を受けます。なお、5つの認定資格はすべて有効期限内のものである必要があります。
・CKA(Certified Kubernetes Administrator)
・CKAD(Certified Kubernetes Application Developer)
・CKS(Certified Kubernetes Security Specialist)
・KCNA(Kubernetes and Cloud Native Associate)
・KCSA(Kubernetes and Cloud Security Associate)
ーCNCFの認定資格制度「Kubestronaut Program」:https://www.cncf.io/training/kubestronaut/

アジェンダ

1)Platform Engineeringの重要性と課題
2)導入事例の紹介
3)Platform EngineeringにおけるAPCのさらなる取り組み

登壇サマリ

1)Platform Engineeringの重要性と課題

<DX投資領域から見るスコープ >
経産省のレポートでも「攻めのIT投資」の必要性が謳われていますが、企業は既存システムの負債や人材不足で「攻めのIT投資」が難しい状況にあります。守りのIT投資から攻めのIT投資へのシフトを支援することが重要です。

<Platform Engineeringの必要性>
SREやDevOpsに対応できるエンジニアの確保が難しい中、Platform Engineeringは「エンジニア不足の壁」「DevOpsの拡大の壁」を克服する具体的なプラクティスとして期待されています。

<組織ごとに抱える課題>
プラットフォーム導入の足並みをチーム同士でそろえられなかったアンチパターンとしてよく挙げられるのが、「開発チームごとに用意されたPlatformの乱立」です。
開発に必要なツールやリソースが開発チームごとに用意され、インフラチームのほうで把握ができなくなります。また、利用したツールやノウハウなどの知見の再利用性にも乏しく、組織が不透明で非効率的な状態になってしまいます。
APCでは、Platform Engineeringの成熟ロードマップを用いて組織内の足並みをそろえた推進を行っています。各レベルの目標に従って、組織内のチーム同士で連携を取りながら理想的なプラットフォームの成長を目指します。

2)導入事例の紹介

<導入企業の抱えていた課題>
同社では自社でシステム開発・運用を行っており、「2025年の崖」問題に対する危機感を持っていました。これらの課題を新たなシステム開発・運用手法の導入によって改善することを目指しています。

<支援内容 >
APCは4件の案件支援を通じて企業のPlatform Engineering導入をサポートしました。

①クラウドネイティブプログラム
このプログラムは、AKSをベースとし、受講者様が自らの手で考えながら実装して作っていくことをコンセプトにした、3ヶ月間のチーム型学習コンテンツです。

②開発者ポータル立ち上げ支援
開発者ポータル「Backstage」を実際に同社Azure環境のAKS上に立ち上げるためのご支援を行いました。
Backstage導入ドキュメントの作成や検証作業などを通して、構築作業やGolden Path作成など、技術的な課題解決を行うことで、同社メンバーによるBackstageのスムーズな導入をサポートしました。

③DevSecOpsアセスメント
Microsoft から提供されている推奨事項をベースにしたDevSecOpsアセスメントリストをご用意しています。今回はそのリストに事前協議した優先度を反映し、金融系でも利用可能なセキュリティを考慮した同社独自のアセスメントリストを作成しました。
アセスメントをもとに改善が必要とされた項目については、Backstage上にTechDocsやテンプレートとしてご提供することで、セルフサービス化によるスムーズな利用推進を支援しています。

④Platform用共通基盤整理
Platform共通基盤として利用するAKS上で稼働するシステムの重要レベルに合わせ、共通基盤として提供できる高可用性の機能設計と
検証を各項目ごとに行っています。

3)Platform EngineeringにおけるAPCのさらなる取り組み

<コミュニティ貢献と情報発信>
コミュニティ貢献やPlatform Engineeringに関するサービスの提供、イベント出展・登壇などの取り組みや、APC技術ブログや情報集約サイト「Platform Engineering Information Hub」の運営などを通じた情報発信を行っています。

4)まとめ

Platform Engineering成功のためには、以下の観点が重要です。
・クラウドネイティブな考え方や、DevSecOpsなどのモダンな技術の習得が必要だが、それだけではPlatform Engineeringの導入はうまくいかない
・組織内のあらゆるレイヤのメンバーが集まり、足並みをそろえることがPlatform Engineering導入の成功の鍵となる
・Platform Engineeringを計画的に進めながらMicrosoft Azure と Backstageを組み合わせて活用することで、効果的なプラットフォームの導入をおこなうことができる

◆紹介サービス

開発者ポータル「PlaTT」シリーズ

海外を中心に注目されている開発者ポータルBackstageをベースに、AIを活用した独自のプラグイン、細やかな権限管理機能をマネージドで提供、開発者ポータルの導入支援も行います。プラットフォームエンジニアリングを推進していく中で「PlaTT」を開発チームとのHUBとして活用することで、開発組織全体へのスケールとガバナンスの強化、InnerSource文化の浸透が期待できます。
【サービスページ:https://www.ap-com.co.jp/platt/

プラットフォームエンジニアリング推進支援

プラットフォームエンジニアリングの成熟ロードマップを用いて、お客様組織の状況に応じた組織を実施します。

①プラットフォームエンジニアリング推進アセスメント、プラットフォームチーム体制立ち上げ支援
②Internal Developer Platformの導入支援(Microsoft Azure / GitHub Enterpriseなど)
③開発者ポータル立ち上げ支援
【サービスサイト:https://www.ap-com.co.jp/cloudnative/platform-engineering/

プラットフォームエンジニアリング体験ワークショップ

プラットフォームエンジニアリングの概念や「Team Topologies」などの組織論、DevBoxやGitHub Codespacesを用いた開発環境、TerraformなどのIaCを用いたクラウド環境のセルフサービス化などを2日の短期間で体験できるワークショップです。プラットフォームエンジニアリングにこれから取り組まれる方に最適な支援です。

◆登壇者コメント

株式会社エーピーコミュニケーションズ ACS事業部 クラウドエンジニア 青木 平(Aoki Taira)

このセッションを通じて、Platform Engineeringの重要性とその具体的な導入方法について理解を深めていただけたことを願っています。
Platform Engineeringを成功へ導くためには、ツールの導入を行うだけではなく、PlatformチームとApplicationチームの相互のコミュニケーションが不可欠です。
弊社が提供するPlatform Engineeringの支援は、企業が直面する技術的な課題と組織的な課題の両方に注目し、組織のプラットフォームをより良い状態へ導いていくことを目指しています。
今後も私たちは、企業の皆様に伴走し、より良いプラットフォーム導入をサポートできるよう努めてまいります。
この度はご参加いただき、誠にありがとうございました。

 

APCでは、Platform Engineeringを推し進めるためのあらゆるご支援をご用意しております。

Platform Engineeringの導入をご検討の際は、ぜひご相談ください!

 

イベント開催概要

日時 :2024年12月3日(火)13:00〜16:30
会場 :オンライン
対象者 :プラットフォームエンジニア、SRE、インフラエンジニア、アプリケーション開発者
講演者情報:マイクロソフト デベロッパーグローバルブラックベルト 柳原伸弥、他多数